有害物質使用特定施設
ゆうがいぶっしつしようとくていしせつ
水質汚濁防止法施行令第1条に規定される特定施設のうち、有害物質の製造、使用、処理を行う施設である。新たに有害物質使用特定施設を設置しようとするとき、施設の構造を変更するとき、施設を廃止するとき等に都道府県知事への届出が必要となる。
従来、工場又は事業場からの排水の全量を下水道に排出し、公共用水域には排出しない場合には、特定施設の設置の届出対象とならなかった。ただし、平成23年6月22日に水濁法の一部を改正する法律が公布され、平成24年6月1日より、排水の全量を下水道に排出する場合にも水質汚濁防止法の特定施設の届出が必要となった。
なお、改正法施行以前に排水の全量を下水道に排出する有害物質使用特定施設を設置していた者は、平成24年6月30日までに設置の届出が必要となる。
また、法改正に伴い、有害物質使用特定施設に対して有害物質を含む水の地下への浸透を防止するための構造、設備及び使用の方法に関する基準(「構造等に関する基準」)を遵守することと、定期的に点検することが義務付けられた(点検の頻度は、構造等に関する基準の程度により、月1回、半年に1回、年1回と異なる)。
【対象となる施設】
- 水質汚濁防止法施行令第2条規定の有害物質を製造、使用、処理を行う施設
- 有害物質を含む水を敷地外部の水域に排出する施設(施設排水の全量を下水道に排出する施設も含む)
【対象とならない施設】
- 施設内で発生する有害物質を含む汚水や廃液の全量を循環利用し、施設外に排出しない施設(ただし、当該汚水や廃液を産業廃棄物として処理する場合や、場内排水処理施設で処理し、処理水を再利用するような場合は有害物質使用特定施設の対象となる)
- 下水道終末処理施設、水質汚濁防止法施行令第1条別表第1第72号のし尿処理施設
- 温泉旅館等の天然の有害物質を含む水を使用するような施設(当該有害物質を使用することを目的としない施設)
【参考資料】
水質汚濁防止法
水質汚濁防止法施行令
水質汚濁防止法の一部を改正する法律新旧対照条文
水質汚濁防止法施行令の一部を改正する政令新旧対照条文
水質汚濁防止法施行規則等の一部を改正する省令新旧対照条文
環境省ホームページ
「水質汚濁防止法の改正による地下水汚染の未然防止対策について」
改正水質汚濁防止法に係るQ&A集(ver.1)