塩化ビニルモノマー[VC]
えんかびにるものまー
VCと略される事が多い。
化学式 CH2=CHCl
クロロエチレン、ビニルクロライドとも呼ばれる。
IUPAC名はクロロエテン。
塩化ビニルモノマーを付加重合させると、ポリ塩化ビニル(合成樹脂)となります。
~高校の有機化学で登場した表現で説明すると~
炭素(C)には手が4本あります。エチレンは、4本のうち2本の手は水素と手を結んでいて、残りの2本は相方の炭素と手をつないでいます。2本の手をお互いにつないでいるので、2重結合と呼びます。
重合は、この相方と手をつないでいる2組の手のうち、1組の手を放して他の炭素と手を結ぶ事を言います。1組の手を外に向かって広げると、他の炭素と手をつなげる手が2本できます。これがどんどん繋がった状態をポリマーと言います。
■名前の理解のコツ
① ビニル基から考える
ビニル基とは、エチレンからH(水素)が一つなくなったもの。
このビニル基に塩素がついたので、塩化 ビニルモノマー。(モノマーとつけるのは、塩化ビニルポリマー(合成樹脂)と区別するため)
塩化は、クロライドとも言うので、ビニルクロライドとも呼ばれます。このビニルクロライド(Vinyl Chloride)が略称VCの由来です。
② エチレンから考える
エチレンのH(水素)の1つがCl(塩素)に置き換わっているので、クロロエチレン。
1,1-ジクロロエチレン、シスー1,2-ジクロロエチレンと同じ考え方の名称なので、こちらの呼び方に親しみのある方も多いのでは。
■塩化ビニルモノマーについてもっと知りたい方は
中央環境審議会水環境部会環境基準健康項目専門委員会(第9回)の資料、
塩化ビニルモノマーに係る課題の整理
がおすすめです。
塩化ビニルモノマーの検出状況、使用状況、常時監視における検出状況、用途、国内供給量、排出量等、物質情報がまとめられています。