汚染者負担の原則
おせんしゃふたんのげんそく
環境保全に係る費用は、汚染者がその程度に応じて負担するという原則である。生産者や輸送者は汚染物質を排出して環境を汚染した場合、その環境を元に戻すための費用を負担しなければならない。
また、汚染物質の発生に係る製品やサービスの消費者も、汚染者として一定の負担を担うことがある。
PPP(polluter-pays principle)とも呼ばれる。
■参照ホームページ
昭和50年版環境白書 総説 第3章 第2節 汚染者負担の徹底と今後の課題(抜粋)
http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/hakusyo.php3?kid=150
第1に、環境保全に係る費用の負担については、生産面に限らず、あらゆる面にわたって汚染者が汚染の程度に応じて、その費用を負担することを基本とすべきことである。
これによって、PPPが意図している生産、流通、消費に係る各経済主体が環境資源を含めた形で財やサービスの選択を行うことを可能とし、その結果、環境汚染という外部不経済が内部化され、環境資源を含めた資源の最適な配分が可能となるからである。
この場合、費用を負担すべき汚染者として、汚染物質を第1次的に排出している直接的汚染者(生産活動の場合は生産者、輸送活動の場合は輸送者等になろう。)が特定できない場合には、汚染物質の発生に係る財やサービスを提供あるいは消費し、間接的に汚染の発生に関与しているいわば間接汚染者にその費用を負担させることも可能である。
環境保全に係る費用も他の一般的な財やサービスのコストと同様に生産、流通、消費を通ずる経済の連鎖の過程において各経済主体に波及していくものであり、因果関係から規定される原因者が不明確な場合には、経済の連鎖に着目して幅広く環境保全に係る費用を負担すべき者を理解することも必要であろう。すなわち、汚染の形態に応じどの段階で誰が第1次的に負担することが国民的合意の下に最も環境改善の効果を発揮できるかという観点に立って環境保全に係る費用を負担する者を判断することが必要である。