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「毒物及び劇物取締法」概要 その9 危害防止規定

毒物及び劇物取締法(以下、毒劇法)は昭和25年に制定された法律です。
前回は、「事故時の措置」についてご説明しました。
今回は、「危害防止規定」についてご説明していきます。

■概要

毒物劇物営業者等(毒劇物を製造、輸入、販売などする者)は、法令に基づき置かなければならない「毒物劇物取扱責任者」が円滑に業務を遂行できるよう、常時製造所等に勤務し、かつ、適切な権限を有する者を指名すること、そして、自主的な規範として、毒物劇物の管理、責任体制を明確にするための「毒物劇物危害防止規定」を作成することとされています。

事業所で取り扱っている毒劇物の種類や取り扱い状況など、各事業所の実情に応じた対策をあらかじめ策定して周知する必要があります。

■内容

毒物劇物危害防止規定では、以下のような事項について、定めることとされています。

  • 毒物劇物を貯蔵又は取扱いの作業、設備等の点検・保守、事故時における関係機関への通報及び応急措置を行うそれぞれの担当者の職務及び組織
  • 取扱い作業、設備等の点検、整備、補修の方法
  • 事故時通報及び応急措置活動
  • 教育及び訓練

(出典)毒劇物盗難等防止ガイド

■危害防止規定のモデル

厚生労働省のホームページに、業種別(製造業、販売業、輸送業)の危害防止規定のモデルとチェックリストが掲載されています。

●危害防止規定のモデル

図:毒物劇物危害防止規定のモデル(製造業)(一部抜粋)

(出典)毒物劇物の安全対策(厚生労働省 医薬・生活衛生局化学物質安全対策室)

●チェックリスト

図:毒物劇物危害防止規定の策定に用いるチェックリスト(輸送業)(一部抜粋)

(出典)毒物劇物の安全対策(厚生労働省 医薬・生活衛生局化学物質安全対策室)

■参照通知・通達

毒物劇物危害防止規定について(通知)

1 危害防止規定の目的及び性格について
危害防止規定は、毒物劇物製造所等における毒物又は劇物の管理・責任体制を明確にし、もつて毒物又は劇物による保健衛生上の危害を未然に防止することをねらいとした、事業者の自主的な規範であること。

2 危害防止規定の記載事項について
(1) 危害防止規定は、当該製造所等において取扱われる毒物及び劇物の種類・量、取扱いの方法等の態様に応じ、具体的、かつ、詳細な内容になるように作成すること。
なお、毒物及び劇物の運搬車など製造所等以外の事項にわたる内容であつても差し支えないこと。
(2) 危害防止規定の記載事項には、毒物及び劇物の管理・責任体制を明確にし、毒物及び劇物による危害防止の目的を達成しうるよう、左記の基本的な事項が記載されていなければならないこと。

なお、危害防止規定に付随してそれぞれの基本的事項について、規定を具体的に実施するために必要な細則を定めること

ア 毒物及び劇物の貯蔵又は取扱いの作業を行う者、これらの作業に係る設備等の点検・保守を行う者事故時における関係機関への通報及び応急措置を行う者職務及び組織に関する事項
イ 毒物及び劇物の貯蔵又は取扱いに係る作業の方法に関する事項
ウ 毒物及び劇物の貯蔵又は取扱いに係る設備等の点検の方法に関する事項
エ 毒物及び劇物の貯蔵又は取扱いに係る設備等の整備又は補修に関する事項
オ 事故時における関係機関への通報及び応急措置活動に関する事項
カ 毒物及び劇物の貯蔵又は取扱いの作業を行う者及びこれらの作業に係る設備等の保守を行う者並びに事故時の応急措置を行う者の教育及び訓練に関する事項
キ その他、保健衛生上の危害を防止するために遵守しなければならない事項

■参考

毒物劇物危害防止規定について(通知)(薬安第八〇号・薬監第一三四号)
毒物劇物取扱責任者の業務について(通達)(薬発第六六八号)

厚生省ホームページ
毒物劇物の安全対策


上田 この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室
上田 が担当しました

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