DOWAエコシステムとSDGsの関わり その3
~物流部門の気候変動対策~
今回は、DOWAグループの物流事業の取り組みのSDGsに関連する部分についてご紹介します。
キーワード
▶SDGs ▶気候変動・地球温暖化 ▶モーダルシフト ▶エコドライブ
●物流事業が達成に貢献するSDGs
物流事業
① 何をしているの?
DOWAエコシステムグループでは、物流事業として廃棄物・リサイクル原料等の収集運搬事業と、地金や鉱石をはじめとする一般貨物の運輸事業を行っています。
② 何に貢献するの?
当社では、廃棄物やリサイクル原料を流通させるための物流事業を行うことで、廃棄物の適正な処理やリサイクルに貢献しています(Goal12 つくる責任 つかう責任)。また、モーダルシフト・エコドライブ等を通じた気候変動対策(Goal13 気候変動に具体的な対策を)も実施しており、物流関連でSDGs達成に貢献できる取り組みを行っています。今回は、その中でも気候変動対策に関する取り組みについて説明します。
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Goal 12 つくる責任 つかう責任
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Goal 13 気候変動に具体的な対策を
物流部門による気候変動対策
●どんな課題があるの?
近年、気候変動への対策として、CO2の排出量の削減が重視されています。物流業界においても例外ではなく、下記の国土交通省のホームページによると、運輸部門におけるCO2の排出量は、CO2排出全体量の17%を占めるとされています。これは家庭部門からの排出量よりも多く、排出量の削減が求められています。
2021年度における日本の二酸化炭素排出量(10億6,400万トン)のうち、運輸部門からの排出量(1億8,500万トン)は17.4%を占めています。自動車全体では運輸部門の86.8%(日本全体の15.1%)、うち、旅客自動車が運輸部門の47.0%(日本全体の8.2%)、貨物自動車が運輸部門の39.8%(日本全体の6.9%)を排出しています。
(出典)国土交通省HP
●どう貢献するの?
モーダルシフトによりCO2の排出量を削減します。
国土交通省 運輸部門における二酸化炭素排出量
(2021年度)を参考に筆者作成
モーダルシフトとは?
モーダルシフトとは、自動車による貨物輸送をより環境負荷の小さい鉄道等への利用へ転換することです。営業用トラックと比べると、鉄道のCO2排出量は1/11、船舶のCO2排出量は1/6と非常に少なく、モーダルシフトはCO2排出量の削減に有効な手段となります。
●物流の低炭素化の具体的な取組
DOWAグループでは、陸運では鉄道輸送の専用コンテナを製作し鉄道輸送を、海運ではチャーター船による海上輸送を行っています。
鉄道輸輸送では安定的に輸送するため、DOWAグループの専用便(DOWA号)を活用しています。専用便に乗せるコンテナには、関東圏で焼却灰やリサイクル原料などを積みこみ、当社の処理工場がある秋田県まで運んでいます。
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<鉄道輸送の削減効果例>
関東(隅田川駅から25km圏内)から弊社グループ会社のグリーンフィル小坂まで週20tの廃棄物を運んだ場合の削減効果の試算
<年間のCO2排出量(概算)>
- トラック輸送:
- 約281t-CO2/年
- 鉄道輸送:
- 約39t-CO2/年
- 差:
- 242t-CO2/年
鉄道輸送では、トラック輸送に比べて1年間で約240t-CO2の低炭素化に貢献できるという試算となります。
- 10t車で週2回配送し、往路のみで計算した場合の年間排出量。ロジスティクス分野におけるCO2 排出量算定方法 共同ガイドラインVer. 3.1(平成28年)の計算方法を参考に算出。
- 概算値のため、貨物重量、積載率等により実際の排出量とは異なります。
- 鉄道は隅田川駅から大館駅を想定。発生場所から隅田川駅までと大館駅からグリーンフィル小坂までのトラック輸送のCO2排出量を含み、またトラック輸送よりも走行距離が大きくなります。
さらに、他社と連携して首都圏~秋田間の鉄道ラウンド輸送の取り組みを開始し、NHK秋田放送局でも取り上げていただきました。これには、一般社団法人日本物流団体連合会より「環境大賞 特別賞」を受賞しております。
日本製紙、DOWA、JR貨物のラウンド輸送がNHK秋田放送局「ニュースこまち」に取り上げられました
「第24回一般社団法人日本物流団体連合会 物流環境大賞 特別賞」を受賞しました
また、国内だけでなく海外(インドネシア)でも同様に廃棄物の鉄道輸送を行っており、低炭素な輸送を実現しています。
インドネシアで同国初となる有害廃棄物の鉄道輸送を開始しました
●おわりに
物流部門におけるCO2排出量の削減は、気候変動対策として非常に重要な取組となります。SDGsの目標達成に貢献するため、DOWAグループはモーダルシフトを含めた物流における気候変動対策に引き続き取り組んでまいります。
この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室
後藤 が担当しました