タイで有害廃棄物処理を開始しました
1. はじめに
タイのバンコク市内から約30kmに位置するBangpoo Industrial Estate内にあるBangpoo Environmental Complex Co., Ltd.(通称BPEC)は、2006年に操業を開始したDOWAエコシステムの子会社です。
BPECは流動床式焼却設備と発電設備を保有し、有害廃棄物と非有害廃棄物の焼却及び燃料化事業を行っています。また、焼却によって得られた熱を有効利用し、近隣施設への蒸気供給や発電をしています。
2. 有害廃棄物処理
BPECは2017年にフロンガスやエアバッグインフレーターに処理品目が限定された制限付きの有害廃棄物処理の認可を先行して取得し、これらの焼却処理を開始しました。2019年10月にはさらに、タイ当局から有害廃棄物焼却処理の増量認可(固形物30トン/日、廃液50トン/日)を取得し、有害廃棄物の受入と処理を大幅に拡大しました。高ハロゲン廃棄物や、反応性がある化学系廃棄物や廃試薬、エアバッグインフレーターを処理できるのが特徴です。
さらに、今回の許可取得に合わせてニッケル水素電池/リチウムイオン電池などの無害化処理に対応した固定床炉を新たに導入しました。タイにおいても普及が進むHV/EVのリサイクル・適正処理ニーズに対応してまいります。
表 受入可能品目例と許可数量
分類 | 品目例 | 許可数量 (トン/日) |
|
---|---|---|---|
有害廃棄物 | 固体 | 廃化学薬品、廃医薬品、インフレ―ター 、使用済み電池、その他各種固形廃棄物 | 30 |
液体 | 廃化学薬品、廃医薬品、廃油、廃溶剤、廃酸、廃アルカリ、クーラント廃液、その他各種廃液/スラッジ | 50 | |
電池類 | ニッケル水素電池、リチウムイオン電池 | 4.2 | |
フロン類 | 冷媒ガス(CFC、HCFC、HFC等) | 0.6 | |
非有害廃棄物 | 固体 | オフスペック製品、事業系ごみ 、梱包廃材、その他各種固形廃棄物 | 120 |
液体 | 各種廃液、スラッジ | 73 |
3. さいごに
有害廃棄物処理許可の拡充により、BPECが取り扱うことのできる廃棄物の種類・量が増え、さらに多くのお客様のニーズにお応えすることが可能となりました。
DOWAグループはタイで廃棄物の収集運搬、リサイクル、焼却(エネルギー回収)、最終処分と総合的な廃棄物管理ソリューションを提供しています。現地には日本人スタッフが常駐しておりますので、廃棄物に関するお困りごとがあればお気軽にご相談ください。
【問い合わせ先】
日本: DOWAエコシステム株式会社 海外事業推進部 湯本 電話:03-6847-1230
タイ: WMS 狩野 電話:+66 844 39 2982
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Waste Management Siam Ltd.
狩野 が担当しました