PCB廃棄物の判別方法 その3
~金属容器~
1. 金属容器とは
廃棄物の種類は、「PCB汚染物」となります。
例えば、空のドラム缶や漏洩防止のために使用した金属パンなどが該当します。
2. 分析方法
金属容器内に「自由液」が存在すればその自由液を分析します。
※自由液とは:PCBを含む油が染み込み又は付着した廃棄物から、PCBを含む油が染み出し又は脱離して、液体状態として確認できるもの。
出典:ポリ塩化ビフェニル汚染物等の該当性判断基準について(通知)
自由液が存在しない場合には、表面拭き取り試験を行う場合や、金属容器内に「残渣」が存在する場合にはその残渣を分析する場合があります。どの分析方法が適切かは、分析対象となる廃棄物を分析会社が確認して決定するのが一般的です。
ポリ塩化ビフェニル汚染物等の該当性判断基準について(通知)には、PCB廃棄物に該当するかどうかの判断基準と分析方法が示されています。
出典:ポリ塩化ビフェニル汚染物等の該当性判断基準について(通知) に一部追記
3. 分析結果の判断基準
3-1. 自由液についての判断基準
自由液のPCB濃度が、0.5mg/kg以下のものは、普通の産業廃棄物と判断されます。
0.5mg/kgを超え、5,000mg/kg以下のものは、特別管理産業廃棄物となり、低濃度PCB廃棄物と判断されます。
5,000mg/kgを超えるものは、上記と同様特別管理産業廃棄物となり、高濃度PCB廃棄物と判断されます。
3-2. 拭き取り試験法の判断基準
金属表面の2か所以上から合計100cm2以上を拭き取ります。
・PCB廃棄物に該当するかどうかの判断
特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物に係る基準の検定方法
告示第192号 別表第3の第2:拭き取り試験法
(4)判定
PCBの付着量が0.1μg/100cm2以下であること
PCBの付着量が0.1μg/100cm2以下である場合は、(普通)産廃と判断されます。
・低濃度PCB廃棄物か高濃度PCB廃棄物かの判断
低濃度PCB含有廃棄物に関する測定方法(第5版)
5.金属くず(表面拭き取り試験)
(4)判定
PCB付着量が1mg/100cm2以下であること
PCB廃棄物の該当性、低濃度PCB廃棄物の該当性についてまとめると以下のようになります。
3-3. 部材採取試験法の判断基準
特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物に係る基準の検定方法
告示第192号 別表第3の第3:部材採取試験法
(4)判定
PCBの付着量が0.01mg/kg以下であること
PCBの付着量が0.01mg/kg以下である場合は、(普通)産廃と判断されます。
(※)部材採取試験法は、PCB汚染物から部材を切り取って試験試料とする試験方法で、適用されるケースは少ない様です。
・濃度PCB廃棄物か高濃度PCB廃棄物かの判断
4. 廃電気機器の処分をご検討の際には
DOWAエコシステムグループは、エコシステム山陽(岡山県)、エコシステム秋田(秋田県)にて、廃電気機器の無害化処理を行っています。
処理をご検討の際は、お声掛けください。
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この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室
上田 が担当しました