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LIB(リチウムイオンバッテリー)とは? その2
LIBに含まれる金属

前回は、LIBの使用用途や構造についてご紹介しました。
今回は、LIBに含まれる金属とその生産国についてご紹介していきます。

3. LIBに含まれる金属

LIBは外装にアルミや鉄、内部には銅の他、主に正極材(正極に使用される材料)にリチウム、コバルト、ニッケルなどのレアメタルが用いられています。
レアメタルの含有量は正極材の種類によっても異なります。

正極は、電気を集める集電箔、化学反応に関わる正極活物質、電子の伝導性を高める導電助剤、箔に活物質などを付着させるためのバインダー等によって構成されています。
このうち、正極活物質に使用される材料(リチウム・コバルト・マンガン等)によって大きく種類が大別されます。

LIBの種類

コバルト系 マンガン系 リン酸鉄系 三元系 NCA系
正極活物質(略称)LCOLMOLFPNCMNCA
正極活物質LiCoO2LiMnO2LiFePO4Li(NixCoyMnz)O2Li(NixCoyAlz)O2
含まれる金属リチウム、コバルトリチウム、マンガンリチウム、鉄リチウム、ニッケル、コバルト、マンガンリチウム、ニッケル、コバルト、アルミニウム
用途例スマートフォン、PC自動車自動車、定置用蓄電池自動車自動車

LIBは、「コバルト系」「マンガン系」「リン酸鉄系」「三元系」「NCA系」などに分けられており、これらの中でも安全性やコストパフォーマンスの観点から、「リン酸鉄系」「三元系」「NCA系」が普及しています。

【リン酸鉄系LIB】

3種類の中でも原材料費が安価であり、急な発熱などにも強いLIBです。
主な使用用途としては、電気自動車や電動工具などが多いです。

【三元系LIB】

この三元系LIBとは、「ニッケル(Ni)マンガン(Mn)コバルト(Co)」を使用した化合物のLIBです。
組成物の配合比率で性能をコントロールしやすく、家電製品に含まれるような中小型の電池としても車載用の電池としても様々な場面で使用されます。

【NCA系LIB】

このNCA系LIBとは、「ニッケル(Ni)コバルト(Co)アルミニウム(Al)」を使用した化合物のLIBです。
エネルギー密度が高いため、車載用や医療機器など大容量の電池を使用する製品に使用されることの多いLIBです。

4. リチウム・コバルト・ニッケルの生産国

LIBは用途に応じてさまざまな金属が組み合わされて使われていますが、リチウム、コバルト、ニッケルの鉱石は、日本で産出されずほぼ100%を輸入に頼っています。
また埋蔵量や生産量を見ると、1~3か国で大半が占められており、国による偏りが大きいことが分かります。

(出典)蓄電池産業の現状と課題について(経済産業省)

さらに流通・使用量が一般的な金属と比べて少ないこともあり、需要の増加に伴い、国際的な獲得競争が予想されています。
そのため、天然資源からの獲得だけでなく、使用済み製品のリサイクルも必要になります。

さらに、資源循環を推進し、持続可能な社会を構築するためにも重要です。このためDOWAグループでは、LIBリサイクルのための技術の開発、システムの構築に推進しており、次回以降でその取り組みを紹介していきます。


この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室
後藤 が担当しました

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