DOWAエコジャーナル

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循環型社会を目指すオランダの取り組み
その5 一般の人たちのReuse活動

ごみ収集とは少し異なりますが、リサイクルという観点では、各所に不要な衣類や靴を入れられるコンテナがあり、NPO団体などが選別してそれらを必要とする人達や国に送付したり、その他の資源として活用する制度があります。

地域のセカンドハンドショップに無料またはわずかな額で服や不用品を引き取ってもらう人も多いです。

日本のメルカリのようなMarktplaatsや、地域がもう少し絞られるNextdoor、ブランド物などが多いVintedなどのリサイクルサイトで、衣類やおもちゃなどを安価でやり取りする人も非常に多いです。「無料で引き取ってほしい」と記載する人もいます。

今年はコロナの影響により開催不可となりましたが、毎年4月27日の国王誕生日には全国で住民が路上で不用品を売り出してよい日となっており、国中が大規模なリサイクルショップとなります。

新しいものを買わず、あるものを捨てずに楽しもうという考えから、友人同士が集まって着なくなった衣類や小物を交換する動き(Clothing swap)も盛んで、私も仲の良い友人達と定期的に開催しています。不思議なもので気の合う友人同士だと好みも似るらしく、かなりの確率で新しいオーナーが決まっていきます。

これらは節約好きで環境意識も高いオランダにぴったりの取り組みだと感心しています。

清掃を楽しい活動に変える試み


写真:町の人々が拾ったごみを
服に貼り付けてもらうTV番組の子供達

オランダ社会は若者に対する正しいごみ処理の啓蒙にも力を入れていて、高校の先生の発案で新学期に新しいクラスの仲間とチームビルディング活動として公園のごみを集め、きれいになった公園でピクニックをしたり、子供達に粘着テープがついた服を着せて町の人々が拾ったごみを貼り付けてもらいその数を競うゲームのテレビ番組があったり、流行りのウォータースポーツであるSUP(スタンドアップパドリング)をしながらついでに運河のごみを拾うというような、「清掃を楽しい活動に変える試み」があちこちで盛んに行われています。

よいニュースばかりではない

このように書くと良いことばかりのように聞こえますが、当然ながら好ましくないニュースも耳にします。

アムステルダムではコロナ禍の大掃除で大量に出たごみをきちんとごみ箱に入れない人が相次ぎ、あまりにもひどい状況だったため市はごみの中身を見て、判明した持ち主に罰金を課すようになりました。2020年7月半ばから8月半ばまでの間に課された1件当たり95ユーロ(約1万2千円)の罰金は2,411件もあったとのことです。

また海外でリサイクルされるごみもあると触れましたが、最近、トルコ中南部の都市、アダナで、大量のオランダからのプラスチック廃棄物が放置されているのが見つかったことがニュースとなりました。このニュース記事には、プラスチックごみは以前は中国などにもリサイクルのため輸出されていたものの、中国内のごみが増えすぎ処理できなくなったことからトルコなどに依頼することが増えていること、今回のごみについては家庭ごみか企業ごみかさえわからず、調査報道記者や環境保護団体が調査に乗り出している、とありました。

地球温暖化の問題もあり、世界的に環境意識は高まっていると思いますが、世界中の人々がごみ分別やリサイクルの重要性を認識し、地球環境を守っていってほしいと心から願っています。


この記事は
オランダ在住・在勤・元ジャパンタイムズ紙記者
Yumi Wijers-Hasegawa が担当しました

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