DOWAエコジャーナル

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インドネシア事情 −その2

DOWAエコシステムは2009年2月、東南アジアの廃棄物処理会社であるModern Asia Environmental Holdings, Inc.(以下 MAEH社)の発行済株式を100%取得し、アジアでの環境リサイクル事業の拡大を図っています。

MAEH社は、東南アジア3カ国で廃棄物処理事業を展開しています。インドネシアでは、最終処理施設や廃油・廃液処理施設などを保有し、廃棄物処理事業、燃料再生事業、土壌・施設浄化事業などを行っています。

前回に続き海外事情は、MAEHインドネシアの在駐レポートです。

今回のレポートは、ごみ、廃棄物の視点から捉えた、インドネシア事情と企業進出の状況についてお届けします。

■ゴミや廃棄物についてはどのような状況ですか?

インドネシアは天然資源が豊富であり、その中にはミネラルウォーターも含まれ、非常に水の豊富な国という印象を受けています。また日中は暑いこともあり、水浴びをよく行うなど綺麗好きな民族だという印象を受けました。これはゴミや廃棄物問題を扱う上で重要なことで、そういう意味ではゴミや廃棄物について適正に行うことができる文化を有していると思います。
しかし現状では、廃棄物やゴミについては経済格差の影響からか、富裕層から貧困層へのリユースが半ば生活の糧として行われています。このことは、如何に日本が格差社会になってきたと言ってもまだ馴染めない側面です。そして、最終的には一般ゴミは不法投棄されるという悪い循環に至っています。
残念ながら、私が住んでいるアパートも、分別などは全く行っていません。収集後、その分別(というか、売れるものを拾い歩く)を生業としている人々がいるので、なかなか日本で行われているような活動が進まないのだと思います。

■そういう意味では、ゴミや廃棄物などの適正管理・処理ということはまだ国民の多くへは浸透していないとみるべきですか。

残念ながら、そういう面があるのは否めないと思います。これはインドネシアに限らず、環境問題が抱える普遍的なテーマでもありますが。
その一方で日本からの進出企業は1,000社を数えるなど、種々の外資系企業が進出しています。こうした企業はコンプライアンス、CSR、環境意識が高い企業が多く、当然廃棄物の適正処理が求められます。外資系企業からの文化の移入による廃棄物の適正処理というのは、こうした問題を解決する上で一つのキーワードになるかもしれません。

■外資系企業の環境意識が高いから廃棄物の適正処理を外資系企業が自主的に対策をしているってことですか? 一般の国内企業においてはいかがでしょう?

外資系企業の中でもオイルメジャーや鉱山開発、日系企業は自主基準に則って非常に厳格な廃棄物の適正処理を行っているという実感があります。
国内企業でも同様です。いわゆるインドネシアの大手企業や石油関連企業は廃棄物の適正処理に力を入れています。

またインドネシア環境省(KLH)は、例えばマニフェスト伝票の電子化を今年から試行し、来年度より本格始動を予定してデータベース化するなど、施策がとられています。今後、更に廃棄物の適正処理について議論を進めていくものと考えられます。
ただ、この問題はどうしても中小企業や消費者に対する啓蒙活動が必要ですね。日本では既にゴミの分別回収やリサイクルが定着していますが、それでもルールを守らない人がいますね。それと同じです。残念ながら、インドネシアではそうしたルールが定着していません。まだまだ時間がかかると思います。

■・・・・すると、インドネシアでは今後何がどう変わるのでしょうか?

今後は官民共同で廃棄物の適正処理に取り組んでいく必要があると思います。マニフェストの電子化もその一環でしょう。データベース化することで情報収集の迅速化、紛失を防ぐことができます。これらは廃棄物の不適正処理・不法投棄の防止に繋がっていく活動になると思います。

お読みいただきありがとうございます。
ごみ、廃棄物の視点からみたインドネシア事情と企業進出の状況
次回は、MAEHインドネシアの拠点である「PPLi社」の活動と廃棄物の適正処理についてレポートをお届けします。

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