インドネシアにはゴミ山が存在する その2
みなさん、こんにちは。
今回は、行政が運営する家庭ごみの最終処分場を見学した様子についてお伝えしたいと思います。
■インタビュー
- Q.この家庭ごみの最終処分場はどこが管理をしているのですか
- A.この最終処分場は行政が管理しています。
エリア拡大の工事や掘削などの工事は行政から工事会社に依頼しています。
ゴミを拾っている人は個人で、ゴミを売って生計を立てているようです。 - Q.いつからこの場所は最終処分場となったのですか
- A.約25年前です。
元々は崖だった所にゴミを捨て、土で埋めてまたゴミが増えてきたら土で埋めての繰り返しです。 - まだ半分も使っていないので、数十年は大丈夫。
もし一杯になったら、広げられる土地がまだあります。
↑↑2017年撮影
同じ場所からの撮影ですが、増えているのが目に見えますね。
↓↓2020年撮影
- Q.ゴミは誰でも拾えるのですか
- A.必ずID登録をしないといけません。
誰が入ってるかなどを行政が管理しています。
8時~17時まで自由に出入り可能です。
コロナで職を失って、ゴミ拾いする人が増えました。
今、約600世帯の登録があります。
登録しなくても罰則はありませんが、ルールは守って貰っています。
保険に加入してなくても登録は出来ますが、牛との衝突やケガなどたまにあるので加入することを勧めています。
中には、1ヶ月だけ拾いに来る人もいます。 - Q.お給料はいくらくらいですか
- A.最終処分場の管理など行政から委託されている人は1日200円~300円程度です。
ゴミを売っている人はその人の出来高次第です。
トラックの運転手などのお給料も会社次第なので、役所ではそこまで管理しておりません。 - Q.ゴミはどこに売るのですか
- A.個人が業者にゴミを持って行っても相手にしてくれないようなので、ゴミの買い取りを取り仕切っている人に売っているようです。
拾われたゴミは、安全性を確認してからリサイクルするようです。 - Q.主に何を売っているのですか
- A.多いのが、ペットボトルや牛乳パックです。
他には電化製品の部品やマットレスの中綿など、売れるものは全部売ります。
自然に還る葉っぱなどは肥料になるため拾う事を禁止しています。 - Q.この家庭ごみの最終処分場にいる牛は誰かが飼っているのですか
- A.1頭1頭に飼い主がいて、牛を売って生計を立てている人もいます。
牛を売る時は必ず、3ヶ月間清潔な場所で飼育され血液検査など病原菌がいないかどうが検疫チェックをし、問題なければ売りに出されます。 - Q.ゴミを拾っている人に怪我や病気などはないのですか
- A.かゆみだったり咳が出たり人によってはあるようですが、今のところ数も少なく問題にはなっていません。
牛との衝突がたまにあります。
あと、ナイフなど鋭い物もあるのでみんな安全靴を履いて作業しています。 - Q.問題と思う事は何ですか
- A.雨季に雨が溜まって水が流れない事が問題です。
水が溜まってしまい、車が登れなくなったりします。
バッテリーから発火して何日間も火が消えない事が過去にあり、牛が何頭か焼死してしまいました。
- Q.その他
- A.精神的安らぎのため月に1度、集会があります。
ありがたいお言葉など説法があり、贈呈品もあります。
私は元々観光地で働いていたのですが、コロナで職を失ってしまいました。
最終処分場のお仕事は、お給料は少ないですが、ないよりかはましなので行政から雇ってもらい、ここ(最終処分場)で働いています。
■まとめ
初めてゴミ山を見たときは「まだこんな場所があったなんて。。。」と、衝撃を受けました。日本にいると見えてこない現状ですね。
インドネシアはプラスティックゴミの排出量が世界で2番目に多いとされ、海洋汚染や河川汚染もまた深刻な問題となっております。
それに伴い政府は、2025年までに海洋に流出するプラスティックゴミを70%削減すると掲げたり、レジ袋の規制などを導入しています。
海藻で出来たストローも開発中で、商品化できるように研究が進められています。
人口約2億6千万人(世界人口第4位)もいるわけですから、海藻ストローの商品化やレジ袋規制などで今後インドネシアではどのような環境改善への影響が出るのか注目が集まっています。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
この記事は
ジョグジャカルタで飲食店を経営、
日本語講師もやっています
牧 みどり が担当しました