水銀に関する水俣条約について(まとめ)
「水銀に関する水俣条約」が制定されるまでの経緯と、現在の締結状況ついてまとめました。
締結に向けた日本国内での対応は「水銀に関する水俣条約締結に向けた日本での対応(まとめ)」をご覧ください。
【1】「水銀に関する水俣条約」制定までの経緯
- 2001年
- 国連環境計画(UNEP)管理理事会(GC21)にて「世界水銀アセスメント」実施を決定
- 2002年
- 国連環境計画(UNEP)「世界水銀アセスメント」公表
水銀汚染に対応するための地球規模の行動が必要であると提言 - 2003年
- 国連環境計画(UNEP)「水銀プログラム」開始
- 2005年
- 国連環境計画(UNEP)「UNEP重金属プログラム」として活動強化
- 2009年
- 国連環境計画(UNEP)管理理事会(GC25)にて、次の2点が合意される。
・国際的な水銀の管理に関して法的拘束力のある文書(条約)を制定する
・そのための政府間交渉委員会(INC)設置、2013年までのとりまとめを目指すこと - 2010年
- 政府間交渉開始
- 2013年1月
- 「政府間交渉委員会第5回会合」(INC5)において条約の条文案合意
- 2013年10月
- 「水銀に関する水俣条約外交会議」で、「水銀に関する水俣条約」全会一致で採択。
92か国(含むEU)が条約への署名
日本は、岸田文雄外務大臣が同条約に署名※1 - 2015年5月22日
- 第189回通常国会において条約締結が承認される。また、条約の実施に必要な水銀汚染防止法及び「大気汚染防止法の一部を改正する法律」が、同通常国会で可決・成立
- 2016年2月2日
- 日本が条約締結(23番目の締約国)
- 2017年5月18日
- 「水銀に関する水俣条約」の締約国数が50か国に達し、規定の発効要件が満たされた
- 2017年8月16日
- 「水銀に関する水俣条約」発効
(50番目の国が締結※2した日から90日後に発効) ※1 署名:国家が将来的に条約に拘束される意思を表明
※2 締結:批准や受諾により、国家が条約に拘束されることへの同意を表明
【2】日本国に効力を生ずる日は
法、施行令、施行規則の施行期日には、「水俣条約が日本国について効力を生ずる日又は、平成28年4月1日」、とされているものがあります。日本国について効力を生ずる日とは、いつなのでしょうか?
条約が日本国に効力を生ずる日とは、
①日本が国内での対応・担保措置を整え、条約を締結して、
かつ、②条約が発効した日 です。
日本は、2016年2月2日に条約を締結していますので、「水俣条約が日本国について効力を生ずる日」は、条約の発効期日である、2017年8月16日という事になります。
【参考資料】
環境省ホームページ
UNEP 水銀プログラムについて
「水銀に関する水俣条約」の概要
【参考】水銀に関する水俣条約を踏まえた今後の水銀対策
国内対応に関する審議状況
水俣条約について
外務省ホームページ
「水銀に関する水俣条約」への署名
水銀に関する水俣条約
水銀に関する水俣条約外交会議(概要と評価)
水銀に関する水俣条約の発効が決定しました
UNITED NATIONS ホームページ
Status of Treaties 17 . Minamata Convention on Mercury(英語)
この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室
上田 が担当しました