ハンガリー デブレツェンのゴミ事情 その1
ハンガリーはEU加盟国27カ国のうちの一つです。デブレツェンは大学を中心に栄えている街で、ハンガリーでは首都ブダペストに続く第二の都市とも言われています。
人口は約20万人、最近では医学や音楽の道を選んだ留学生が増えてきたので、日本人留学生のお役に立てば幸いです。
■ゴミ捨て
ゴミ捨ての方法には主にこの4つが挙げられます。
- 家庭ごとに捨てる
- 公共の分別エリアに持っていく
- ゴミ処理場に直接持っていく
- 回収業者を呼ぶ
1. 家庭ごとに捨てる
“家庭ごと”と一つにまとめても家の大きさによってルールが変わってきます。
一軒家の場合
一軒家の場合は外部に備え付けのゴミ箱がありません。
そのため袋にまとめたものを指定日に外に出します。
一般ごみに関しては指定袋がありませんが大体の家庭がスーパーに売っているいわゆるゴミ袋を使っています。
リサイクル可能なごみに関しては指定袋があり自治体に連絡をすると手に入れることができます。この袋は無料です。
回収日の前日には大体の家がこのようにまとめたゴミを通りに出しています。
アパート(約10世帯)の場合
日本と違い”ゴミ置き場“があるわけではなく雨風吹かれる敷地内に”ゴミ箱”があります。夏場は暑い日差しのせいで臭いが強いです。ハエも多いです。
1つの建物に8世帯ほどの家ならゴミ箱はこのようになっています。青い蓋がリサイクルゴミ以外、黄色い蓋がリサイクルゴミを入れるゴミ箱です。
このタイプのゴミ箱用の分別表です。
(参照)Szelektív kisokos - Mi dobható a kék illetve sárga kukába?
アパート(大型)の場合
10世帯以上が入るようなアパート(日本で言うところのマンション)では家の敷地内に以下の写真のような大きな共有ゴミ箱が設置してあります。
こちらの場合リサイクルゴミもそうでないゴミも分別されないまま、このゴミ箱になんでも混ぜて入れてしまいます。
2. 公共の分別エリアに持っていく
Photo: Juhász Norbert - We Love Budapest
ゴミ箱の看板の色により分別ルールがあります。
- 青−紙(papir)
- 新聞、本、雑誌
- 黄−プラスチック
- 洗って潰された、キャップも取り除かれた容器(キャップに関してはスーパーに回収箱があります)、ラップ、サワークリーム/ヨーグルトカップ、牛乳/ジュースの容器
(☆ハンガリーでは乳製品をよく消費します。サワークリームを料理によく使うのでこのように表記されています。日本で納豆パックと明記するのに感覚は似ているかもしれません。) - 白−透明の瓶(femer uveg)
- 飲料、シロップ、ジャム、ベビーフードの瓶
(☆ハンガリーでは冬が厳しいため夏に取れた果物やお花をお砂糖につけてシロップにする習慣があります。自家製も既製品もあります。) - 緑(たまに白)−色付きの瓶(szines uveg)
- ワイン/ビール/シャンパンの瓶
- 茶−堆肥化可能なゴミ
- 果物、野菜、卵の殻、コーヒー豆のカス、紅茶葉、切り花
茶色に関してはごく稀に見かけます。
青、緑、黄色は街中で見かけるゴミ箱です。
3. ゴミ処理場に直接持っていく
これは小さな家庭ゴミには稀ですが粗大ゴミが出た場合に可能です。
ゴミ処理場において計算をし、会社が処理をしてくれます。
4. 回収業者を呼ぶ
こちらも家庭ゴミにはなかなか当てはまりませんが地元のゴミ処理場と提携した業者などに粗大ゴミ処理を頼んだり有害なゴミが出た場合に頼みます。
例外
落ち葉、枯枝などはアパート、一軒家に関わらず自治体の決まった袋に詰めます。
ゴミ処理業者が回収します。冬は落ち葉の詰まった袋で通りが埋まります。
こちらの有料袋は日本円で100円ほどです。
■ゴミ回収
ハンガリーには19県ありゴミ回収は各県/各自治体により分断されます。首都のブダペストは県内にはあるものの県に属さず東京都内の東京23区に似た扱いを受けます。
各県ごとに一社以上のゴミ収集を担う会社が存在します。
■回収費用
ゴミの回収費用はトン単位か各ごみ収集会社が貸しているゴミ箱の大きさで決まっていて、住む家のタイプによりもまちまちです。
また、ごみ収集所から家が離れるほど収集車のガソリン代金や人件費などが加算され値段は上がります。
集合住宅の場合共益費の中にごみ収集代金や建物の修繕費、清掃費などが含まれます。
この共益費全体ではデブレツェンの相場は5,000~8,000フォリント(日本円で2,000~3,200円)/月です。
一軒家ですと一年間にまとめて支払ったり4半期に一度支払うシステムです。
一年間で安くて日本円で1万円、例えば40km離れた場所になると約3万円になります。
■ハンガリーならではの問題
回収は週に一度ごみ収集車が行います。これは住む通りによって曜日が違います。
私の住む通りは月曜日に回収があるので、前日にあたる日曜日はゴミ箱がパンパンです。デブレツェンではどの通りでもゴミは朝6時までに出すように決まっています。
回収が行われる日曜日の夜には敷地内から誰もがアクセスできる通りまで、ごみ収集車が回収しやすいようにゴミ箱が出されます。この時に貧困層の人達がゴミを漁りにきます。彼らのほとんどがゴミ箱を荒らしたまま立ち去ってしまったり、せっかく分別したゴミを混ぜて帰ってしまいます。
写真:ゴミを漁る貧困層の人達
写真:ごみ収集の様子
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この記事は
ハンガリーの医学生
石原ベータ が担当しました