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カナダ・バンクーバーのゴミ分別・収集事情

今回はカナダのバンクーバー市のゴミ分別・収集事情についてご紹介いたします。

バンクーバーはカナダのなかではトロント、モントリオールに次ぐ3番目に大きな都市で、太平洋側に位置しています。国内の他の地域に比べると比較的温暖な気候で、住民の約半数が公用語(英語・フランス語)以外を第一言語とする他民族都市です。

ゴミ分別について

バンクーバー市では、埋め立てや焼却処分をするCompost(生ゴミ)、Garbage(一般ゴミ)とリサイクルを行うContainers(容器類)、Paper(紙)、Grass bottles/ jars(ガラス瓶・容器)の5種類のゴミが日常的に回収されています。

Compost(生ゴミ)には廃棄食品や食べ物で汚れた紙類・木や竹製の箸類、落ち葉や草花など基本的に生物分解が可能なものが対象となります。

日常的にでるゴミのうち、生ゴミやリサイクルゴミ以外のほとんどのものはGarbage(一般ゴミ)として捨てられます。ビニール袋やおむつなどがその例です。

Containers(容器類)には、ガラス製の物を除く、すべての容器が含まれます。写真のとおり、牛乳パックなど紙製のものから空き缶、プラスチック製、アルミニウム製のものなどきれいに水で洗われた、もしくは汚れのない容器はまとめて「容器類」として分別します。ダンボールや紙袋、雑誌・新聞紙、書類などは、Paper(紙)です。ガラス製の瓶や容器は水で洗い流してからGrass bottles/ jarsとして分けます。

これらの5種類に含まれないゴミ、例えば電化製品や粗大ゴミなどは市内に点在する受取所に市民がみずから持ち込むか、民間の引き取り業者に直接連絡をしてお金を支払い、取りに来てもらうことになります。費用は大きさや種類によって異なり、数千円〜数万円になることもあります。

ゴミ収集事業者について

バンクーバー市では住んでいるのが一軒家か集合住宅かによってゴミ収集を行う事業者が異なります。

一軒家の場合、Compost(生ゴミ)とGarbage(一般ゴミ)はバンクーバー市によって回収・処分されますが、バンクーバー市は集合住宅のゴミ収集対応をほとんどしていないため、建物管理者が民間の回収業者を選んで契約しなくてはなりません。

そのため隣同士のビルでも回収業者が違うのは当たり前で、街中では様々な会社の異なる色・デザインのゴミ箱、ゴミ収集車を見かけます。一方でリサイクルゴミについては、一軒家でも集合住宅でも同じRecycle BCという非営利団体によって回収が行われており、税収によってその費用が賄われています。

ゴミ収集の頻度とゴミ箱について

一軒家の場合、Garbage(一般ゴミ)は2週間に1度の回収、Compost(生ゴミ)、Containers(容器類)、Grass bottles/ jars(ガラス瓶・容器)、Paper(紙)は毎週回収されます。回収はどの種類も同一日に行われます。

ゴミ箱は各家庭にCompost(生ゴミ)用、Garbage(一般ゴミ)用の箱が1つずつ、Containers(容器類)用、Grass bottles/ jars(ガラス瓶・容器)用のカゴが1つずつ、そして Paper(紙)用の袋が1つ提供されています。

Compost(生ゴミ)用のゴミ箱は4種類から、Garbage(一般ゴミ)用のゴミ箱は5種類からサイズが選べます。そして選んだゴミ箱のサイズによって、毎年自治体へ支払うゴミ処理代が決定され、固定資産税と一緒に請求されます。提供されているゴミ箱のサイズとそれにともなう年間の自治体への支払い金額は以下の表の通りです。

集合住宅については建物管理者と事業者の契約によって回収頻度は異なりますが、週に1回の頻度で回収を行なっているところが多いです。

ゴミ箱は契約先のサービス事業者によって提供されます。写真のとおり、ゴミ箱には会社名とその連絡先が記載されており、事業者ごとに色やデザインも異なります。一般家庭用のゴミ箱がプラスチック製である一方、集合住宅ではゴミの量も多くなるので重量に耐えられるよう、金属製のゴミ箱が使用されていることがほとんどです。

写真:※各民間業者が集合住宅に提供しているゴミ箱

ゴミ収集当日について

ゴミ収集当日は、朝7時までに自宅前の道路脇に各種ゴミ箱を写真のように設置します。

写真:※ゴミ収集当日に各種ゴミ箱を設置した様子

収集車が来るとゴミ箱の横で停止し、アームを伸ばしてゴミ箱をまるごと持ち上げ逆さにします。そのことでゴミ箱の蓋が開き、自動的に中のゴミが収集車に収まるようになっています。その姿はメカニックで壮観なため、ゴミ収集車は小さな子どもたちの間で消防車と並ぶほど人気があります。


この記事は
バンクーバー在住フリーライター
藤枝さくら が担当しました

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