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石破首相が、再生材利用の拡大や太陽光パネルリサイクル促進等の法整備を加速するよう指示
(循環経済(サーキュラーエコノミー)に関する関係閣僚会議で)

昨年12月27日に、内閣官房にて「循環経済(サーキュラーエコノミー)に関する関係閣僚会議」が開催され、再生材利用の拡大や、環境配慮設計の推進、太陽光パネルリサイクルの促進等のための制度整備を含む、循環経済への移行への取組を具体化した政策パッケージが取りまとめられました。

■会議の背景、目的

本会議は、循環経済(サーキュラーエコノミー)の実現を国家戦略として推し進めていくことを目的として、「循環型社会形成推進基本計画」などの関連する施策を政府全体として戦略的・統合的に行うために開催するとされています。

○内閣官房:循環経済(サーキュラーエコノミー)に関する関係閣僚会議

■会議の内容

会議には内閣総理大臣、内閣官房長官、経済産業大臣、環境大臣などの閣僚が出席しており、2024年7月に開催された第1回(7月30日)では各省庁の取り組みが説明されるとともに、必要な政策を年内に取りまとめることとされました。

今回の第2回(12月27日)では循環経済への移行への取り組みを具体化した「循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行加速化パッケージ」が説明され、議論のうえ取りまとめられました。

政策パッケージでは、

循環経済への移行が

  • 付加価値を生み出して新たな成長につながるものであること、
  • 気候変動や生物多様性の保全にも貢献すること、
  • 国家戦略として政府一体で推進すること

が基本的な考え方として示されています。

そして新たな資源循環の輪を構築することを通じ、

  • 循環経済関連ビジネスの市場規模2030年までに80兆円に拡大させることを目指す
  • 全国各地に存在する廃棄物・リサイクル業の事業拡大、地域の課題解決を通じた地方創生、質の高いくらしを実現する
  • 資源循環型の新しいものづくり・輸出大国の確立に貢献する

としています。

(出典)循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行加速化パッケージ(概要)

また、具体的に講ずる取組は、施策集としてまとめられており、例えば以下のような取り組みが掲げられています。

  1. 小型家電など地域の循環資源の回収・再資源化の促進
    地域の循環資源の回収・再資源化の促進のために、目標設定や国民参加の促進、リサイクル設備投資等への支援などが施策として挙げられています。取り組みの1つとして、レアメタルを含む小型家電製品の排出実態調査や、小型家電リサイクルに関する優良事例の公表などの取組例が示されています。
  2. 再生材利用の拡大、環境配慮設計の可視化等
    資源循環を強化するため、特定の製造事業者等に対して再生材利用に関する計画・定期報告を義務付けることを含む制度や、優れた環境配慮設計に対する認定制度の創設が示されています。
  3. 太陽光パネルのリサイクル義務化等
    使用済み太陽光パネルの排出量は増加が見込まれており、現状はリサイクルが義務付けられていないことから、最終処分場への影響などが懸念されています。その課題への対応として、太陽光パネルをリサイクルすることや、製造業者等が再資源化費用を納付することなどを義務付ける制度的枠組みを構築することとされています。

    (出典)循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行加速化パッケージ施策集

    ○関連記事:
    使用済太陽光パネルのリサイクル制度創設に向けた審議報告(その1)
    使用済太陽光パネルのリサイクル制度創設に向けた審議報告(その2)
  4. 金属スクラップの不適正な国外流出の抑制
    国内で発生する金属スクラップが不適正に海外流出していることから、廃棄物の適正管理に加え、不適正輸出の防止等が取り組むとともに、環境対策強化のための制度的措置について検討されています。

■総理大臣からの指示

議事要旨によれば、第2回の会議の最後に石破総理大臣から、循環経済への移行が極めて重要な取り組みであるとして、政策パッケージの速やかな実行が指示されました。また、再生材利用の拡大、環境配慮設計の推進、太陽光パネルリサイクル促進の法整備に向けた作業の加速させることにも言及されています。
加えて、循環経済への移行を国家戦略として推し進めていくことが改めて述べられました。


この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室
後藤 が担当しました

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