使用済み電気・電子機器の輸出時における中古品判断基準について
リユースに適さない使用済み家電が中古品と偽って輸出され、輸出先で健康や環境への悪影響を及ぼしているという実態の対策として、バーゼル法がより適切に運用されることを目的として「使用済み電気・電子機器の中古品判断基準」が環境省より策定されました。
使用済み家電をリユース目的で輸出する場合は、バーゼル法に基づく輸出承認を得る必要はありませんが、この承認が不要であることを輸出者自身は証明しなければなりません
この判断基準によって、リユース目的の輸出であることを客観的に判断することができ、その証明が簡単に出来るようになります。この判断基準は平成26年4月1日より適用される予定です。
平成21年度に「使用済みブラウン管テレビの輸出時における中古品判断基準」が既に策定、運用されていますが、今回は判断の範囲をブラウン管テレビだけに留めず、電気・電子機器に広げています。これは、輸出相手国、特に発展途上国において部品、金属などの回収が人の健康や環境に悪影響を及ぼしている実態を強く懸念しての動きです。
今回策定された中古品判断基準は①年式・外観、②正常作動性、③梱包・積載状態、④中古取引の事実関係、⑤中古市場の5項目によって構成されています。
また、使用済みブラウン管テレビについても、平成26年4月1日からは本判断基準が適用されます。
この判断基準に則さない輸出については、バーゼル法違反となるだけでなく、バーゼル条約上の不法輸出として国際問題に発展するおそれがあるため、十分留意する必要があります。
基準 | 輸出者等による対処事項 | 輸出者による証明方法の例 | |
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①年式・外観 | 破損や傷、汚れがないこと *特定家庭用機器に関しては、別表を参照 |
製品の筐体に大きな打痕がないこと及び著しい汚れがないことを確認する。 電源プラグの溶痕・変形のないこと、電源コードの劣化・キズがないことを確認する。 |
個別製品ごとに、製造年・型式・メーカー及び破損等のないことを確認し、その結果の記録、もしくは、その事実を確認できる書類を求めに応じて提出可能な状態にしておくこと。記録については、開披せずとも確認できるようにしておくこと。 また、求めに応じ目視可能な状態にしておくこと。 *製造年等が不明な場合は、個別製品に番号を記したシールを貼り、求めに応じて説明可能な状態にしておくこと。 |
②正常作動性 | 通電検査等を実施し、個々が正常に作動すること。 *使用に際しての当該電気・電子機器の作動に必要な通電用、充電用付属品が欠損していないこと |
通電等の正常作動検査を実施し、その機能、効用を有することを確認する。 左述付属品が欠損している場合は、現地でのしよう方法または付属品の調達方法を確認する。 蓄電池が内蔵されている物については、その蓄電池の使用期間を確認し(または、充電機能検査を実施し)、十分な蓄電を行えることを確認する。 (この場合、蓄電池使用に係るメーカー推奨期間に留意するとともに、鉛蓄電池等が機能せず中古使用が不可能な状態であれば、バーゼル法の規制対象となる懸念があることに留意すること。) |
個別製品ごとの正常作動検査の結果、個別製品の種類ごとの正常作動検査方法及び検査実施状況を撮影した写真を記録し、検査内容に責任を負う事業者名・連絡先と併せて、求めに応じて提出可能な状態にしておくこと。開披せずとも記録を確認できるようにしておくこと。 税関での検査時等において、求めに応じて正常作動検査等を行えるようにしておくこと。 左述従属品が欠損している場合は、その付属品名と輸出国での調達可能性の説明を記録し、求めに応じて提出可能な状態にしておくこと。 内蔵された蓄電池については、その使用期間を記載するか、充電機能検査を実施した結果を記録し、求めに応じて提出可能な状態にしておくこと。 |
③梱包・積載状態 | 荷姿等が適切であること(集荷、輸送、積込及び積み下ろし作業中の破損を防ぐように適切に梱包、積載及び保管されていること) | テレビモニター等がある場合には、その画面部分には段ボール紙等により画面保護を行う。 小型の物については、必要に応じて、段ボール箱を利用、個別に包装する等し、整然と積載する。 積込を行うまでの間、風雨等にさらされないよう屋内で適切に保管する。 |
輸送中等の破損を防止するための梱包・積載方法の説明とともに、梱包の状況を撮影した写真及び積載の状況を撮影した写真(コンテナ積載開始時・中間・扉付近の3箇所以上)を記録し、求めに応じて提出可能な状態にしておくこと。 |
④中古取引の事実関係 | 契約書等により中古品取引の事実関係が確認されること 当該契約書等には、
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取引の事実関係等を証する書類を求めに応じて提出可能な状態にしておくこと。 | |
⑤中古市場 | 輸入国において当該製品の中古市場があること | 輸入国において確実にリユース目的で販売されることを確認する。 輸入国政府の許可を前提に、再輸出目的で輸入が認められている場合は、その政府許可等を確認する。 |
輸入国において自ら中古販売する者の名称・所在・連絡先・販売店の写真を記録し、求めに応じて提出可能な状態にしておくこと。 輸入国政府の許可を前提に、再輸出目的で輸入を求められている場合は、その政府許可等を提示可能な状態にしておくこと(英文以外は、その翻訳(日本文又は英文)を提示できるよう配慮すること)。 |
※1 証明のための記録・書類等は、輸入国等においても確認が行われる可能性を考慮し、英文のものを提示できるよう配慮すること。
※2 特定家庭用機器再商品化法(平成10年法律第97号)第2条第4項に規定する特定家庭用機器をいう。
機器 | 年式 | 外観 |
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エアコンディショナー | 製造から15年以内 | 下記に該当しないこと
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テレビジョン | 製造から15年以内 | 下記に該当しないこと
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冷蔵庫・冷凍庫 | 製造から10年以内 | 下記に該当しないこと
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洗濯機 | 製造から10年以内 | 下記に該当しないこと
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【参考資料】
環境省ホームページ
使用済み電気・電子機器の輸出時における中古品判断基準について(お知らせ)
この記事は
DOWAエコシステム 海外事業推進部
蔵石 が担当しました