エコシステム山陽(株)の新炉(PCB廃棄物対応炉)のご紹介
8月19日、エコシステム山陽(株)では、微量PCB廃棄物の処理業の許可を取得しました。
今回はそのエコシステム山陽(株)の新炉について、詳しくご紹介します。
■経緯
DOWAエコシステム(株)では、微量PCB廃電気機器等を処理するため、環境省が主体となって行われている焼却処理試験に参画してきましたが、これらの試験で行ってきた処理方法はバッチ式の処理方式でした。この処理方式は、処理物を炉に出し入れする際に加熱を止めなければならず、どうしてもロスが発生します。そこで、より効率の良い処理方式の検討を重ねた結果、昇降温のロスを最小限に抑えることのできる、連続炉での処理を採用することにしました。
■概要
エコシステム山陽(株)で新たに建設した炉は、これまでの廃棄物処理施設にはほとんど見られない処理方式の炉です。炉の概要は下図のようなもので、いわゆるトンネル炉と呼ばれる連続式の加熱炉(連続炉)です。この炉では処理物を台車の上に載せ、1台車ずつ連続炉の中に投入し、当然、処理後のものが1台車ずつ出てきます。この炉内を通る間に、PCBに汚染された電気機器は、850℃で4時間以上加熱され、無害化されます。電気機器から分離されたPCBを含むガスを、ガス燃焼炉で1,100℃で2秒以上加熱することで、完全に分解します。
■特徴
これにより効率のよい処理と、48t/日という非常に大きな処理能力を実現しました。バッチ炉で48t/日という処理能力を達成しようとすると、非常に大きなバッチ炉が必要となり、処理物を均一に加熱することも難しくなります。連続炉での処理は1台車ずつ処理をしていくので、処理物を均一に加熱することは比較的容易に達成でき、処理物を確実に無害化することにもつながっています。
この記事は
DOWAエコシステム ウェステック事業部
池田 が担当しました