現場の廃プラ入れにモバイルバッテリーが混入していました。そのまま排出してもいいですか?
Q:製造現場から出された廃プラにモバイルバッテリーが混入していました。
モバイルバッテリーもプラスチックでできているので、そのまま排出しようと思います。ダメですか?
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排出事業者は廃棄物処理会社に処理を委託する際に、委託するのは「どんな廃棄物か」という廃棄物の情報を提供しなければならないと、廃棄物処理法に規定されています。
「モバイルバッテリー」を含めた「廃プラ」を排出すると伝えている場合には問題ありませんが、そうでない場合には、処理会社の担当営業にご連絡ください。
特にモバイルバッテリーは発火しやすく、運搬途中や処理工程において火災をひきおこす可能性が高いため、「モバイルバッテリー」が混入した際には、手選別でモバイルバッテリーを除去したり、破砕の方法を変えるなど、処理方法を変更する必要が生じる場合があります。
処理会社では、排出事業者から事前に提供された廃棄物情報を元に、処理方法を決め、受入ていますので、事前に提供していただいた廃棄物情報と実際の廃棄物が異なる場合には受入が出来ない場合があります。
■発火の原因となりえる廃棄物
以下に、破砕した際に発火の危険がある廃棄物をご紹介します。
■モバイルバッテリー
モバイルバッテリーは中に引火性の電解液が入っており、破砕機で破砕された際や、収集運搬車(パッカー車)内での火災が多数報告されています。
リチウムイオン電池からの火災にご注意を! ~誤った使用方法や廃棄による火災が増加しています~(東京消防庁)
モバイルバッテリーの事故に注意しましょう!(消費者庁)
モバイルバッテリーをご排出される場合には、他の廃棄物とは分けて絶縁をしたうえで排出していただく必要があります。
■ライター・スプレー缶
ライターやスプレー缶は破砕した際の火花が残留ガスに着火して火災の原因となります。そのため、破砕機で処理できません。
■油付着物
油付着物は、破砕機の摩擦熱の温度(200~300℃)で引火してしまう危険があるため、破砕機で処理できません。
■マッチ・花火
マッチ、花火のように火薬が入っているものも発火する危険性が高いため、破砕機では処理できません。
■乾燥剤
乾燥剤は水に濡れると反応し、発熱する種類のものがあります。他の廃棄物と接触して発熱し、可燃性の廃棄物が発火する危険性がありますので、廃棄物が混合してしまうピットには入れることができません。
このような廃棄物が混入してしまった場合など事前の情報提供と異なる場合には、処理会社の担当者へご連絡いただけます様にお願いします。
■発火の可能性の高い廃棄物を排出する際には
危険性に応じて分別したり、適切な荷姿で排出することで、発火の可能性の高い廃棄物であっても処理は可能です。
処理工場では排出事業者から提供された廃棄物情報を元に処理を行います。発火の可能性が低いと情報提供を受けていた廃棄物の中に、発火の可能性の高い廃棄物が混入していた場合、危険性に応じた適切な処理を行う事が出来ず、火災のリスクが高まってしまいます。
(出典)処理施設での発火事故の例(環境省資料より)
安全な中間処理のためには、お客様からの情報提供が非常に重要ですので、ご協力いただけます様、お願いいたします。
破砕機に入れられないものの例
この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室
後藤 が担当しました