DOWAエコジャーナル

本サイトは、DOWAエコシステム株式会社が運営・管理する、環境対策に関する情報提供サイトです。毎月1回、メールマガジンの発行と情報を更新しています。

文字サイズ

リスクのクスリ記事一覧 ▶︎

PCB廃棄物の掘り起しってなんですか?

Q:PCB廃棄物の掘り起しってなんですか?

A:

PCB廃棄物の保管事業者とPCB使用製品を使用する事業者を把握する事を目的とした、都道府県等が実施するアンケートで、事業者に届け出の有無、保管・使用状況についてを確認するものです。

基本計画では、PCB廃棄物の保管・処分委託状況、PCB使用製品の所有・廃棄・処分委託の進捗状況を把握し、必要に応じて基本計画の進捗管理と見直しを行う事とされています。
PCB特別措置法においてはPCB廃棄物の保有について、電気事業法においてはPCB使用製品についての届出が義務化されているものの、未届けのPCB廃棄物とPCB使用製品が存在すると考えられているため、実態把握が重要とされています。

■高濃度PCB廃棄物・使用製品

平成28年7月に改訂された、「ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画」では、高濃度PCB廃棄物の確実かつ適正な処理のためには、

  1. PCB廃棄物とPCB使用製品の掘り起し調査が完了する事
  2. PCB使用製品が全て廃棄される事

が必要とされています。

出所:ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画(環境省)

このうち、掘り起し調査については、

1)効率的・実効性のある掘り起し調査の実施

国と都道府県が連携して、特別措置法の届出情報、JESCOへの登録情報、電気事業法の届出情報を国が整理する事で、要調査事業者の絞り込み、連絡先住所のアップデートを行い、掘り起し調査を効率化する

2)アンケート調査の回収率向上

アンケート調査の回収率向上のための方策として、特別措置法に基づく報告徴収や立入検査の権限を積極的に活用する

3)使用製品に対する掘り起し調査の強化

電気事業法の電気工作物に該当する高濃度PCB使用製品は、届け出は義務付けられているので、未届けの電気工作物の実態把握に向けて、電気事業法に基づく報告徴収、立入検査等の枠組みを最大限活用し、事業者に対する指導を徹底する

とされており、環境省平成30年度予算の中の、「PCB廃棄物の適正な処理の推進等」においても、掘り起しの加速化が挙げられています。

出所:平成30年度環境省予算(案)PCB廃棄物の適正な処理の推進等

■高濃度PCB廃棄物・使用製品

低濃度PCB廃棄物、低濃度PCB使用製品については、絶縁油封じ切り機器のコンデンサー類は使用中の採油ができない構造になっている事や、一般に高濃度PCB使用製品に比べて製造時期が新しく、寿命を十分残した使用中の機器が多数存在するため、まずは実態把握を十分に行ったうえで、低濃度PCB使用製品の廃棄やPCBの除去を進めるための方策を検討して実行する、とされています。

出所:ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画(環境省)

【参照ホームページ】

環境省ホームページ
ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画(PDF)
PCB廃棄物の適正な処理の推進等(PDF)


堀岡 この記事は
エコシステムジャパン株式会社 営業企画部
堀岡 が担当しました

※ご意見・ご感想・ご質問はこちらのリンク先からお送りください。
ご氏名やメールアドレスを公表する事はありません。

▲このページの先頭へ

ページの先頭に戻ります