シュレッダーダストとは?
シュレッダーダストについて、処理の流れや制度の背景などを踏まえてご紹介します。
●シュレッダーダスト(SD)について
①シュレッダーダスト(SD)とは?
廃棄物から有価物を取り出した残りを破砕した破砕くず、又は、破砕した後に有価物が取り除かれた破砕くずのことです。自動車や家電のリサイクルなどで発生し、プラスチック、ゴム、残った金属など様々なものが含まれているのでマテリアルリサイクルが難しいものです。
写真:シュレッダーダスト
②車の処理で生じるシュレッダーダスト(ASR)
自動車から発生するシュレッダーダストはASR(Automobile Shredder Residue)と呼ばれます。
自動車からは、以下のような処理フローでASRが発生します。
鉄やアルミ等の金属を取り外す→破砕する→鉄、ステンレス、銅、アルミ、SDが発生
ASRは年間約57万トン発生(2019年度実績)しており、比重を0.26とすると、約219万m3発生していることになります。
※比重はJWNETの重量換算係数の表を参考にした
出典:経済産業省・環境省 自動車リサイクルの現状
●SD処理の制度
・各種リサイクル法で定められた処理方法
現在、車は年間で約360万台が廃車になっています。
かつて、シュレッダーダストは埋立処分場において埋立されるのが主流でしたが、埋め立てる土地にも限度があり、埋立容量がひっ迫してしまうという問題を抱えていました。そのような背景からシュレッダーダスト等の適正な処理・リサイクルが求められ、2005年から自動車リサイクル法が施行されました。
自動車リサイクル法では、自動車の製造業者が破砕業者からASRを引き取り、再資源化可能な施設(指定引取場所)でリサイクルを行う仕組みになっています。法施行後、ASRのリサイクル率は95%を超え、埋立処分場や焼却場に直接搬入されるASRは大幅に減少しています。
家電については、その適正処理、リサイクルのため、家電リサイクル法が制定され、有価物の回収が行われるとともに、残渣として発生したシュレッダーダストのリサイクルも進められています。DOWAグループでもリサイクル施設を有しており、シュレッダーダストの再資源化を実施しています。
この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室
後藤 が担当しました