環境基準等の設定に関する資料集が公開されました
2022(令和4)年3月30日に国立環境研究所により「環境基準等の設定に関する資料集」が公開されました。
1. 背景
1969年以降、環境基準やそれに準ずる指針値の設定・改定が行われてきましたが、経緯や設定根拠については資料として一元的に取りまとめられていませんでした。
2. 概要
「環境基準等の設定に関する資料集」は、国立環境研究所が、環境省水・大気環境局の協力の下、関連する過去の審議会等の答申、報告、配付資料や通知等を収集し、それぞれの基準値・指針値の設定の経緯や根拠について一元的に取りまとめたものです。
3. 資料集の構成
- 趣旨
- 環境基準とは
- 環境基準の位置づけと性格
- 環境基準の目的
- 環境基準の決め方
- 環境基準の設定に至らない場合
- 資料集の内容に関する留意点
- 各資料へのリンク
- 第1章 大気
- 第2章 水質
- 第3章 土壌
- 第4章 騒音
- 第5章 資料集作成関係者一覧
- 環境基準値へのリンク
4. さいごに
最近だと2022年4月から六価クロムの水環境基準値が強化されました。水環境基準は、公共用水域の水質汚濁に係る環境基準と地下水の水質汚濁に係る環境基準が定められており、公共用水域の水質汚濁に係る環境基準は、人の健康の保護に関する環境基準と、生活環境の保全に関する環境基準が定められています。
参考)水質汚濁に係る環境基準(環境省)
地下水の水質汚濁に係る環境基準について(環境省)
どうして複数の環境基準が規定されているのか、どうしてこの物質に対して環境基準が設定されているのか等の疑問に対して、「環境基準等の設定に関する資料集」では背景や経緯などが丁寧にまとめられているので、非常に理解しやすいのでお勧めです。
この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室
上田 が担当しました