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大雪と気候変動

2020年の冬は各地で大雪が観測されました。

温暖化しているのに大雪が降るなんて、「温暖化していないのでは?」という疑問を感じた方もいらっしゃると思います。

文部科学省と気象庁は、日本における気候変動対策の効果的な推進を目的として、日本の気候変動について、これまでに観測された事実や、今後の世界平均気温が2℃上昇シナリオ及び4℃上昇シナリオで推移した場合の将来予測をとりまとめ、2020年12月4日に「日本の気候変動2020 —大気と陸・海洋に関する観測・予測評価報告書—」として公表しました。

日本の気候変動2020(気象庁)

今回は、「日本の気候変動2020(詳細版)」に雪に関してどのように書かれているのか、見ていきます。

主に書かれているのは、「第6章 降雪・積雪」です。

第6章 降雪・積雪の要約

観測事実

  • 1962年以降に観測された日本の年最深積雪には、日本海側の各地域とも有意な減少傾向が見られる。1日に20cm以上の降雪が観測される日数も、各地域で有意に減少している。

将来予測

  • 4℃上昇シナリオ(RCP8.5)の場合、21世紀末の日本の年最深積雪及び年降雪量は20世紀末と比べて全国的に有意に減少すると予測される(確信度が高い)。2℃上昇シナリオ(RCP2.6)の場合、本州以南ではほとんどの地域で有意に減少する(確信度が高い)一方で、北海道では変化傾向が不明瞭である。
  • 温暖化が進んだとしても、厳冬期に十分に気温が低く降水が降雪となる地域では、気温上昇による水蒸気の増加に伴い厳冬期の降雪量が増加し、最深積雪も増加する地域があると予測されている(確信度が低い)。
  • 大規模アンサンブルを用いた将来予測研究の結果から、気温上昇に伴い平均的な降雪量が減少した場合であっても、低頻度で発生する大雪のリスクが低下するとは限らないことが示唆されている(確信度が低い)。

出典:日本の気候変動2020(詳細版)

【観測事実】

●年最深積雪は減少傾向

出典:日本の気候変動2020(詳細版)

こうした観測結果は、皆さんの肌感覚と合致していますでしょうか?
私は石川県出身です。最近は、全く雪が降らなくはないけど、冬でも雪ではなく雨が降ることもあり、また、道路脇に山になっている雪の山が、以前よりも小さくなったと感じます。グラフを見ると、私が小学生の頃は雪の多い時期だったようなので、余計にそう感じるのかもしれません。

【将来予測】

確信度が高い将来予測としては、気温上昇に伴い、積雪量の減少が予測されています。

●全国・地域別の年最深積雪は減少すると予測されている

出典:日本の気候変動2020(詳細版)に凡例 作者追加

●2月の合計降雪量

北海道と日本海側の山間部では、厳冬期の降雪量と最深積雪が増加する地域もあると予測されています。

出典:日本の気候変動2020(詳細版)

温暖化によって大気中の水蒸気量が増え、それによって降水量が増えると予測がなされています。そして、温暖化が進んだとしても雪が解けない程度に寒い地域では、冬場の雨は雪となりますので降雪量が増え、積雪量も増えると考えられる。との事です。
ただし、北日本・東日本・西日本といった地域レベルでの降水量予測は不確実性が高いため、確信度も低いとされています。

詳しくは、
日本の気候変動2020(詳細版)」をご覧ください。

こちらも、分かりやすいのでお勧めです。

参考サイト
地球温暖化なのに なぜ寒波?」(- みんなでプラス – NHK)


上田 この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室
上田 が担当しました

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