CO2排出量取引制度への参加義務化を含むGX推進法の改正案が閣議決定されました
2025年2月2日、「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律及び資源の有効な利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案」が閣議決定されました。そのうち「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律」(GX推進法)の改正では、企業のCO2排出量の排出枠や、排出権取引などについての規定が追加されています。
■法改正の背景
カーボンニュートラルと経済成長の両立(GX)を実現する施策として、カーボンプライシングに関する制度基盤を整備するためにGX推進法の改正案が出されています。
化石燃料の輸入事業者等に課せられる化石燃料賦課金制度や、発電事業者に課せられる排出量取引制度(有償オークション)については既に法律で規定されています。今回の改正では、CO2排出量が多い事業者に対する取引制度についての規定が追加されました。
■改正案のポイント
①一定以上CO2を排出する事業者は排出枠取引制度へ参加する必要がある[法第32~35条など]
CO2排出量が一定量以上の事業者は、CO2の平均排出量などについての届出が必要であり、CO2排出量取引制度への参加が求められます。子会社等は、共同で届出できるとされています。
この「一定量」の具体的な数値は政令で定められる予定ですが、内閣官房の「GX実行会議」や本法律案の概要資料ではすでに「10万t」であることが記載されています。

(出典)内閣官房:GX実行会議(第14回)資料
また、届出における排出目標量の妥当性について第3者のチェックが必要になることや、関連する会社が共同で届出することができることなどが規定されています。
届出事業者は、排出量に応じた「排出枠」を調達する必要があります。一定量の排出枠は無償で割り当てられますが、これを超えてしまう分については排出権取引市場(後述)からの調達が必要になります。もし調達できず、オーバーした排出枠が生じた場合、課徴金が必要になるとされています。
②排出権取引市場が作られる
排出枠は、排出権取引市場で取引されることになります。GX推進機構が設置運営し、価格調整が必要な場合には排出枠の買い入れなどを実行します。

(出典)内閣官房:GX実行会議(第14回)資料
今回の改正を含めてGX推進法に基づき、2050年カーボンニュートラルと経済成長を同時に実現する取組みが、以下のようなスケジュールで進められます。
- 2023年の「GX推進法」の成立
- 2026年から始まる10万t以上排出の事業者による「排出枠取引制度」
- 2028年から始まる「化石燃料賦課金」の導入
- 2033年から始まる電力事業者の「有償オークション」
の4段階の取組みになっています。

(筆者作成)
■施行日
2026年4月1日
※化石燃料賦課金制度は2028年度から、発電事業者(特定事業者)に関する排出枠の有償割当ては2033年度から(従来通り)
■おわりに
CO2を年間10万t以上排出する企業は、排出量取引制度への参加が求められます。排出量を排出枠内に収めるための削減努力が必要ですが、排出枠以上に削減できれば、余剰分を売却できるというメリットもあります。
詳細は、経済産業省のHPをご覧ください。
「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律及び資源の有効な利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案」が閣議決定されました
この記事は
DOWAエコシステム 企画室
後藤 が担当しました