温暖化対策目標設定のための審議が行われました
環境省の「2050年ネットゼロ実現に向けた気候変動対策検討小委員会」と経済産業省の「中長期地球温暖化対策検討WG」が合同で開催されています。
今回は、これまでの審議についてご紹介します。
■審議の目的
2021年、地球温暖化対策推進法(温対法)に基づいて「地球温暖化対策計画(温対計画)」が閣議決定されるとともに、同年には「日本のNDC(国が決定する貢献)」も国連に提出されています。
温対計画は温対法の定めで、少なくとも3年ごとに目標・施策を再検討する必要があり、加えて2025年2月までに次期NDCを国連へ提出する必要があります。そこで、温対計画やNDCの内容検討を含む気候変動対策について、審議されることになりました。
■NDCとは?
パリ協定においては、温室効果ガスの排出削減目標を提出・更新する義務があり、この目標が「国が決定する貢献(NDC)」になります。パリ協定に参加するすべての国は、5年ごとにNDCを更新・提出しなければなりません。
日本の現在のNDC(2021年10月提出)では2030年度に温室効果ガスを46%以上削減することなどが書かれています。
○環境省:日本のNDC(国が決定する貢献)
■これまでの審議状況
第1回では気候変動対策の現状と今後の課題についての説明がなされ、2050年ネットゼロに向けた我が国の基本的な考え方・方向性などが議論されました。
第2回、第3回では様々な団体からのヒアリングが実施されました。各団体の脱炭素に向けた取り組みが紹介されたり、温室効果ガス削減目標等に関する提言が行われていました。
○ヒアリング対象団体
第2回 |
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第3回 |
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第4回、第5回では関係省庁の対策、取り組みに関してヒアリングが実施されました。
○ヒアリング対象団体
第4回 |
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第5回 |
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第6回では地域脱炭素化の取り組みや温室効果ガスの排出経路分析などについて報告されたのち、事務局から「2050年ネットゼロに向けた我が国の基本的な考え方・方向性」について説明されました。
次期NDC水準として、2035年に60%、2040年に73%以上の削減(=2050年カーボンニュートラルに向けて、直線的な排出削減経路)という案になっています。

(出典)中央環境審議会地球環境部会2050年ネットゼロ実現に向けた気候変動対策検討小委員会・産業構造審議会イノベーション・環境分科会地球環境小委員会中長期地球温暖化対策検討WG 合同会合(第6回)
第7回では地球温暖化対策計画の案が出されつつ、第9回までにかけて排出削減経路についての議論が続けられました。地球温暖化対策計画案に盛り込まれた削減目標も、上記同様に2035年に60%、2040年に73%以上の削減となっています。
その後、地球温暖化対策計画については2月18日に閣議決定されています。
この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室
後藤 が担当しました