第六次環境基本計画の概要
■環境基本計画とは
環境基本計画は、環境基本法に基づき政府が定める環境の保全に関する基本的な計画です。
環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、6年ごとに環境大臣が中央環境審議会の意見を聴いて計画案を作成し、閣議決定されるものです。
第六次環境基本計画が中央環境審議会の議論を経て2024年5月に閣議決定されましたのでその概要を紹介します。
第六次環境基本計画の閣議決定について | 報道発表資料 | 環境省
※環境省HP報道発表一覧
■第六次環境基本計画の狙い・ミッション
第六次環境基本計画は、すべての環境分野を統合する最上位の計画として、目指すべき文明・経済社会の在り方を提示し、環境政策を起点として様々な経済・社会的課題をカップリングして同時に解決していくことをミッションとして掲げています。
(出典)第六次環境基本計画の概要(環境省)より抜粋
■第五次環境基本計画からの発展の方向性
第五次環境基本計画は、環境・経済・社会の統合的向上を目指す持続可能な「循環共生型社会」(環境・生命文明社会)をビジョンとして打ち出し、「新たな成長」の概念を提唱しました。
第六次環境基本計画は、「ウェルビーイング/高い生活の質」の実現を目指すこと、地下資源依存から地上資源基調の経済社会システムへ転換することをビジョンとして打ち出し、基盤である自然資本とそれを支える資本・システムへの大投資、「環境価値」 を活用した経済全体の高付加価値化のためにスピード感とスケール感をもって「新たな成長」を実践・実装していくことを計画しています。
(出典)第六次環境基本計画の概要(環境省)より抜粋
■6つの戦略の概要とキーワード
第六次環境基本計画では、環境・経済・社会の統合的向上の高度化のために以下6つの重要戦略を掲げています。
- 「新たな成長」を導く持続可能な生産と消費を実現するグリーンな経済システムの構築
- 自然資本を基盤とした国土のストックとしての価値の向上
- 環境・経済・社会の統合的向上の実践・実装の場としての地域づくり
- 「ウェルビーイング/高い生活の質」を実感できる安全・安心、かつ、健康で心豊かな暮らしの実現
- 「新たな成長」を支える科学技術・イノベーションの開発・実証と社会実装
- 環境を軸とした戦略的な国際協調の推進による国益と人類の福祉への貢献
(出典)第六次環境基本計画の概要(環境省)より抜粋
■第六次環境基本計画の特徴と企業への影響
今回の環境基本計画では金銭換算出来るような市場価値だけではなく、生活の質といった金銭換算出来ないような非市場的価値も重要なものと捉え、「現在及び将来の国民一人ひとりの生活の質、幸福度、ウェルビーイング、経済厚生の向上」を図ることが大きな特徴のひとつです。
人々の幸福を実現するための経済社会活動は自然資本(環境)の基盤の上に成立しています。これまでの大量生産大量消費から、環境収容力を超えない経済・社会の発展(新しい成長)にシフトすることで将来の人々の幸福度も維持しましょうという計画です。
今後、再エネ活用や脱炭素の取り組みが益々求められるようになるでしょうし、例えば環境保全の取組みによって税金が優遇されたり(税制全体のグリーン化)、政府の支援によって最先端の環境・生命技術等の開発・実証と社会実装が推進されていくことが予想されます。
自然資本(環境)の維持をコストと捉えるのではなく、その需要の高まりをチャンスと捉えて上手くビジネスにつなげることも「新しい成長」なのではないでしょうか。
この記事は
DOWAエコシステム 海外事業推進部
蔵石 が担当しました