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プラスチック資源循環法に関する排出事業者の手引きのご紹介

2022年3月30日に、プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(以下、「プラスチック資源循環法」)に関する手引きが公開されました。

排出事業者のプラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制及び再資源化等の促進に関する判断の基準の手引き(1.0版)」(以下、「手引き」)では、表や図を用いて分かりやすくまとめられています。

今回は排出事業者にとってポイントになる、プラスチック使用製品産業廃棄物等の定義に関してご紹介します。

1. 「プラスチック使用製品産業廃棄物等」とは?

プラスチック資源循環法では、「プラスチック使用製品産業廃棄物等」を排出する事業者は、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出抑制や再資源化が求められます。
では「プラスチック使用製品産業廃棄物等」とは何を指すのでしょうか?
手引きでは、プラスチック使用製品産業廃棄物等の範囲が図で示されています。

引用:排出事業者のプラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制及び再資源化等の促進に関する判断の基準の手引き(1.0版)(赤枠筆者)

上記の図で示されているとおり、プラスチック使用製品産業廃棄物等は、

プラスチック使用製品産業廃棄物:使用済みプラスチック使用製品のうち産業廃棄物に該当するもの
プラスチック副産物:端材等の製品の製造、加工、修理又は販売といった事業活動に伴い副次的に得られるプラスチック

を指します。

使用済みプラスチック使用製品が廃棄物になったもののうち、プラスチック使用製品産業廃棄物等に該当するのは廃棄物処理法における産業廃棄物のみとされています。
一方で、プラスチック副産物については廃棄物処理法における廃棄物であることという限定はありません。

手引きにおける定義は下記の通りです。

引用:排出事業者のプラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制及び再資源化等の促進に関する判断の基準の手引き(1.0版)(赤枠筆者)

2. プラスチック使用製品産業廃棄物等と廃プラスチック類の違い

では、「プラスチック使用製品産業廃棄物等」は廃棄物処理法の「廃プラスチック類(廃プラ)」と考えていいのでしょうか?
手引きでは、プラスチック使用製品産業廃棄物等の数量のカウント方法が記載されています。

●排出量を算定する際は、原則として、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出量を計算してください。ただし、当該排出量を計算することが困難な場合は、産業廃棄物管理票(マニフェスト)を活用して計算することも可能です。

〈プラスチック使用製品産業廃棄物等を計算する場合〉
フロー図に基づき、帳簿等で管理しているプラスチック使用製品産業廃棄物等の量を排出量として計算してください。なお、プラスチックが使用されている製品であれば、プラスチック使用製品に該当するため、当該製品全体の量をプラスチック使用製品産業廃棄物等の量に計算します。

引用:排出事業者のプラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制及び再資源化等の促進に関する判断の基準の手引き(1.0版)

「プラスチック使用製品」はプラスチックが使用されている製品を指します。
製品中のプラスチックだけが該当するわけではありませんので、プラスチック使用製品が廃棄物になった場合にはプラスチック使用製品のプラスチック以外の部分を含め、廃棄されたプラスチック使用製品全体の数量をプラスチック使用製品としてカウントします。
その点が廃棄物処理法における「廃プラスチック類」とは異なりますので、排出量を算定する際にはご注意ください。

また手引きでは、オフィスから排出されるボールペンやファイルなどもプラスチック使用製品産業廃棄物等に該当することが示されています。

産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じた廃棄物であって、廃棄物処理法で規定された20種類の廃棄物 (廃プラスチック類等)のことを指します。そのため、事業活動に伴って排出されたプラスチック使用製品廃棄物であれば、プラスチック使用製品産業廃棄物等に該当します。具体的には、工場や店舗等における事業活動に伴って生じる廃プラスチックのみならず、オフィス等における事業活動に伴って排出されるボールペンやクリアファイル、バインダー等もプラスチック使用製品産業廃棄物等に該当します

引用:排出事業者のプラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制及び再資源化等の促進に関する判断の基準の手引き(1.0版)

3. 最後に

今回は手引きの中から「プラスチック使用製品産業廃棄物」を中心にご紹介しました。
手引きではそれ以外にも排出事業者が取り組むべき措置に関する判断の基準についても実例を用いて解説されており、排出事業者の取り組むべき内容が分かりやすく説明されています。

また、プラスチック資源循環法の普及啓発ページには、今回ご紹介した手引きだけでなく、「排出事業者のプラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制及び再資源化等の促進に関する判断の基準の手引き」などの手引きや法の説明動画が掲載されており、法全体の理解にも役立ちます。ぜひご参照ください。

「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」の普及啓発ページ


この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室
後藤 が担当しました

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