土対法改正 形質変更届出時の土地所有者同意書の運用が見直されました
土壌汚染対策法施行規則の一部が改正され、土地の形質変更の届出時において土地所有者全員の同意書が必要であった件について、その運用方法が見直されました。
1. 背景
一定規模以上の土地の形質の変更を行う際には、事前に届出をする義務が土壌汚染対策法に定められています。
たとえば、住宅用地のような土壌汚染と無縁のように見える土地であっても、3000m2以上の土地の形質の変更(解体工事や新築工事など地面を掘削したり盛土したりする行為)を行う際、事前に土壌汚染対策法第4条第1項の届出を要します。また、特定有害物質を使用する水質汚濁防止法の特定施設を有する工場においては、900m2以上の土地の形質の変更において事前の届出や調査を要します。
現在、この形質変更の届出(法3条第7項、法4条第1項)の実施において、基本的には所有者が行うこととされています。もし、所有者以外が届出をしようとする場合や、例えば、土地の権利者が複数いる場合には、全員の同意を要するとされていました。
同意の確認は同意書などで行われますが、権利者が複数いる場合などは負担が大きい場合がありました。
2. 改正の内容
前述の形質変更の届出者が当該土地の所有者等(所有者、管理者又は占有者)でない場合において、同意書の添付を必須とせず、「登記事項証明書その他の当該土地の所有者等の所在が明らかとなる書面」を添付することに改正されます。なお、同意書でも所在がわかる情報が記載されていれば引き続き上記に該当します。
この書面の目的としては、法定調査を必要とする場合に、あらかじめ土地の所有者等の所在を明らかとすることによって、円滑な調査命令発出を担保する必要があることによります。
上記の通りであれば、今後は土地所有者以外の届出であっても当該土地の所有者等の所在がわかる資料を添付すればよいとも理解できますので、そうなればかなり負担が減ることが予想されます。ただし、具体的なこの「登記事項証明書その他の当該土地の所有者等の所在が明らかとなる書面」の例や運用方法については、今後ガイドラインの修正などを通じて示されるとされています。
3. 施行日
令和4年(2022年)7月1日から施行されます。
詳しくは環境省ホームページをご確認ください。
環境省_土壌汚染対策法施行規則の一部を改正する省令等の公布及び意見募集(パブリックコメント)の実施結果について
この記事は
DOWAエコシステム ジオテック事業部
永瀬 が担当しました