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2019年度 再生可能エネルギーの固定価格買取制度の調達価格運用が始まりました

■再生可能エネルギーの固定価格買取制度の調達価格

「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」(以下、「法律」という)による今年度の調達価格および調達期間が発表され、4月1日より運用が開始されました。この調達価格は国の第五次エネルギー基本計画で

  1. 急速なコストダウンが見込まれる電源:太陽光、風力、バイオマス(大規模)
  2. 地域との共生を図りつつ穏やかに自立化に向かう電源:地熱、中小水力、バイオマス

と整理されたことを踏まえ、それぞれ、国内外の発電コスト動向を見極めつつ、電源の性質に沿った適切な方法でコスト低減を促すという視点から検討が行われ決定されたものです。

また、法律の第3条第2項では、事業者の予見可能性を高めるため、あらかじめ複数年度の調達価格等の設定を行うこととされ、2019年度以降の調達価格がすでに決定されているものもありますが、2018年度から2019年度に移行する調達価格の整理をし、表にまとめました。

表 再生可能エネルギーの調達価格と調達期間(2018年度~2019年度比較)

①太陽光発電の動向

事業用太陽光発電では、法律の入札制度に伴い、これまで2,000㎾以上の発電規模を対象とした3回の調達価格を決定する入札が実施されています。第一回(2017年)の入札では調達の上限価格を公表し、第二回(2018年)、および第三回(2018年)では上限価格を非公表として実施されました。第三回では、上限価格以下で応札した事業者が落札することとなり、コスト低減効果が確認されました。

こうした入札制度は、十分な入札者が参加することによってその競争性を確保し、競争によるコスト低減を促すことを想定した制度であり、今後も引き続き入札制度の検討が行われていきます。このような入札制度の取り組みと併せて、今回も調達価格を決定するため、太陽光発電建設に伴うシステム費用、土地造成費、接続費、運転維持費、設備利用率、適正な利潤(IRR)の市場動向の分析が行われました。

②風力発電(洋上風力発電)の動向

洋上風力発電では、2018年11月30日に「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」が成立し、同年12月7日に公布されて、今後、同法に基づく一般海域の海洋利用ルールが整備されることになっています。

現在、複数の洋上風力発電事業が計画されており、今後、この利用ルールに基づき大量の計画案件が実施されれば、調達価格を決定する上で重要なシステム費用や運転維持費など競争環境への波及状況が予見できるようになる可能性を期待して、2020年度以降の調達価格は決定されませんでした。

③バイオマス発電について

バイオマス発電の石炭混焼案件について、一般木材等・未利用材・建設資材廃棄物との混焼を行うものは、2019年度より固定価格買取制度の新規認定対象とならないことを明確化し、2018年度以前に既に設定を受けた案件が容量市場の適用を受ける場合は固定価格買取制度の対象から外すことになりました。

また、一般廃棄物その他バイオマスとの混焼を行うものは、2021年度より固定価格買取制度の新規認定対象から除き、2020年度以前に認定を受けた案件が容量市場の適用を受ける場合は固定価格買取制度の対象から外されます。

【参考資料】

経済産業省 資源エネルギー庁ホームページ
固定価格買取制度
調達価格等算定委員会 平成31年度以降の調達価格等に関する意見


鈴木 この記事は
イー・アンド・イー ソリューションズ
鈴木 が担当しました

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