平成29年度 廃棄物処理法改正に関する施行令等の改正
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律」(平成29年法律第61号)が第193回国会で成立し、平成29年6月16日に公布されました。これを踏まえ、平成30年1月26日に、改正法の施行期日を定めるとともに、改正法の実施のために必要な施行令などの改正について閣議決定され、1月31日に公布されました。
【1】改正法の施行期日
改正法(電子マニフェストの一部義務化以外)の施行期日 | 平成30年4月1日 |
改正法(電子マニフェストの一部義務化)の施行期日 | 平成32年4月1日 |
【参考リンク】
平成29年度 廃棄物処理法改正のポイント
その1 全体概要
その2 廃棄物の不適正処理への対応の強化
(1)許可を取り消された処理業者への行政処分
(2)マニフェスト関連の改正(電子マニフェストの一部義務化含む)
その3 有害使用済機器の適正保管等の義務付け
(1)有害使用済機器カテゴリの新設
(2)有害使用済機器の保管又は処分を行う業者に対する規制
(3)有害使用済機器の保管又は処分を行う業者に対する行政処分
その4 親子会社間における自ら処理の拡大
環境省ホームページ
平成29年3月10日 報道発表資料 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案の閣議決定について
【2】どんな改正が行われるの?
(1)有害使用済機器の保管等
1. 定義 【改正施行令第16条の2】
「有害使用済機器」の定義は、次に掲げる機器(一般消費者が通常の用に供する機器及びこれと同様の構造を有するものに限り、その付属品を含む。)であって、使用を終了し、収集されたものです。ただし、廃棄物は除かれます。
家電リサイクル法対象4品目 | エアコン、テレビ(プラズマ・液晶・ブラウン管式)、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機 |
---|---|
小型家電リサイクル法対象28品目 | 電動ミシン、電動工具、電卓、電子辞書、ヘルスメーター、電動式吸入器、フィルムカメラ、ハードディスク、ジャー炊飯器、電子レンジ、扇風機、電気アイロン、電気掃除機、電気こたつ、電気ストーブ、ヘアドライヤー、電気カミソリ、電気マッサージ器、ランニングマシン、電気芝刈機、蛍光灯器具、電話機、ファクシミリ、携帯電話端末、ラジオ、デジタルカメラ、ビデオカメラ、DVDレコーダー、デジタルオーディオプレーヤー、パソコン、プリンター、ディスプレイ、電子書籍端末、電子・電気時計、電子・電気楽器、ゲーム機など |
2. 処分(焼却、熱分解、埋立処分及び海洋投入処分を除く)及び再生の基準
【改正施行令第16条の3】
保管の基準 | 保管場所について
|
---|---|
処分又は再生の基準 |
|
その他 |
|
3. 廃止の届出 【改正施行令第16条の4】
有害使用済機器の保管又は処分を業として行う届出(改正法第17条の2第1項)を行った者は、届出に係る事業の全部又は一部を廃止したときは、都道府県知事に届け出なければならないことが義務付けられました。
4. 今後の動向
この有害使用済機器に関する改正については、
「政令、省令、ガイドライン等を組み合わせて規定することを想定。詳細な内容は適宜ガイドライン等で明らかにする。」
という考え方が、パブリックコメント募集の際に示されています。
(2)二以上の事業者による産業廃棄物の処理に係る特例
親会社が子会社と一体的な経営を行っている等の要件を満たして、二以上の事業者が廃棄物の収集運搬又は処分を一体として実施しようとする場合には、都道府県知事の認定を受けることが定められました。(改正法第12条の7)
この認定を受けた事業者について、
- 帳簿の備え付け(現行法第12条第13項) 【改正施行令第6条の4第3項】
- 認定に係る事業の全部又は一部を廃止したときの都道府県知事への届出
【改正施行令第6条の7の2】
が義務付けられました。
(3)その他
(1)及び(2)の改正に関する行政の事務について、所要の改正が行われました。
詳しくは環境省のホームページでご確認ください。
平成30年1月26日 報道発表資料 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令の一部を改正する政令」等の閣議決定について
この記事は
メルテック株式会社
大原 が担当しました