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平成29年度 廃棄物処理法改正のポイント その4

平成29年6月16日、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律が公布されました。
今回は「親子会社間における自ら処理の拡大」を解説します。

【1】背景

近年、企業経営の効率化の観点から分社化等が増加しています。しかし、産業廃棄物処理業の許可なく「自ら処理」できる範囲は法人単位に限られるため、分社化によって従前通りの「自ら処理」が行えなくなる事態が発生していました。

例えば、製造部門と廃棄物処理部門を持つ1つの会社が分社化して、製造部門が親会社、廃棄物処理部門が子会社の関係になった場合を考えてみましょう。
改正前の法律では、分社前と排出実態が変わらなくても、親会社は、処理業の許可を持たない子会社に従前通り廃棄物を処理させることができませんでした。子会社に処理業の許可を取得させて契約を結ぶか、許可を持った外部業者と契約を結んで、処理を委託していました。

【2】改正のポイント

以下の一定の要件を満たして、都道府県知事の認定を受けた場合、特例的に親会社と子会社が一体のものとして取り扱われ、分社化前の「自ら処理」と同様の廃棄物処理委託が行えるようになりました。(第12条の7)

<要件>

  • 親会社が子会社の全ての株式を保有している等、一体的な経営を行っていること
  • 廃棄物処理を行う会社が環境省令で定める基準に適合していること

この認定を受けることによって、親子会社間の廃棄物処理委託には、処理業の許可、処理委託契約、マニフェスト等が不要になります。

ただし、廃棄物処理制度専門委員会報告書には

  • 親子会社間における排出事業者責任を共有すること
  • 親子会社内外の廃棄物について明確化すること
  • 親子会社に関する廃棄物のみを扱う場合に限ること
  • 当該状況が継続していることを定期的に確認すること

といった措置の必要性が示されていますので、実際の運用に当たっては、今後の環境省令の改正をよく確認することが必要です。

【参考資料】

環境省ホームページ
廃棄物処理制度専門委員会報告書


大原 この記事は
メルテック株式会社
大原 が担当しました

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