平成26年度の再生可能エネルギーの固定価格買取制度の価格が発表されました
「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」(以下、「法律」という)第3条第5項に基づき、今年度(平成26年度)の調達価格及び調達期間が発表されました。
今回の変更点は、前回(平成25年度)に引き続き太陽光発電の買取価格が減額されたこと、そして、新たに風力発電に「洋上風力」、水力発電に「既設導水路活用中小水力」の買取区分の新設されたことです。
※1:買取価格:1kW時の単価
※2:太陽光発電のうち、住宅用買取価格は内税価格
は新設
■太陽光発電
太陽光発電の買取価格が減額された主な理由は、発電システムの調達コストが下落している点や、パネルの性能向上、好天に恵まれ日照時間が増加したことなどにより設備利用率(設備が定格出力で発電した場合の発電量に対して、実際に発電した発電量の割合)が前年度より改善した点などが、事業収益にプラスになると判断されたためです。買取価格は、発電方法毎に内部収益率(IRR:発電設備の建設費と維持費、売電による現金収入から算出する利益率)が設定されており、発電事業者が利益を出しすぎないよう一定の内部収益率に収まるような価格調整が行われます。
■新規区分
買取区分として新たに「洋上風力」と「既設導水路活用中小水力」の2つが設けられました。
1)洋上風力について
今回の発表で多くの注目を集めているのが「洋上風力」です。ちなみに、「洋上風力」としての定義は次の通りです。
「建設及び運転保守のいずれの場合にも船舶等によるアクセスを必要とするもの」であり、「風車と陸地が構造物等で繋がっており、作業員が建設又は運転保守の主たる作業を、陸側から行うことができるケースは対象外とする」というものです。 洋上風力発電は、設置海域の深度や海況により多くの設置方法が研究、開発されています。今回の買取価格は、既に多数の商用化実績のある安価なモノパイルという構造の風車(着床式)を想定して設定されました。この方式は離岸距離が近い海域(水深30m程度)までの開発に向いているとされるものです。
2)既設導水路活用型中小水力について
すでに設置している導水路を活用して、電気設備と水圧鉄管を更新するもので、既存の電気設備等を更新して運用したいとのニーズから新設された区分です。ゼロから土木工事をして新設する水力発電とは投資価格が大きく異なることから、既存導水路活用中小水力の買取価格は新設の水力発電の価格より低い価格帯で設定されました。
【参考資料】
経済産業省 資源エネルギー庁
再生可能エネルギーの平成26年度の買取価格・賦課金を決定しました(経済産業省発表 平成26年3月25日)
この記事は
イー・アンド・イー ソリューションズ
鈴木 が担当しました