DOWAエコジャーナル

本サイトは、DOWAエコシステム株式会社が運営・管理する、環境対策に関する情報提供サイトです。毎月1回、メールマガジンの発行と情報を更新しています。

文字サイズ

e.コラム記事一覧 ▶︎

「年縞」~国際標準基準ものさしである“泥”

先日、福井県にある年縞(ねんこう)博物館に行ってきました。

福井県年縞博物館 公式HP

年縞(ねんこう)とは?

湖の底などに長い時間をかけて積もり積もった泥や落ち葉の層のことです。
三方五湖の1つ、水月湖(すいげつこ)の年縞は、湖底に堆積した深さ(長さ)はおよそ45m、なんと7万年分もの層があります。

どの時期に地震や火山噴火等が起こったかなどがわかります。
水月湖の年稿は、その貴重性から、歴史の年代決定のための国際基準の物差しIntCal(イントカル)に採用され、世界の歴史研究にも役立っているそうです。

IntCalとは|研究成果|年縞研究|公式HP

年縞博物館とは?

そんな、世界的に貴重な水月湖の年縞の断面を展示している博物館が、2018年に設立した年縞博物館です。
本物の年縞が45m展示されており、年縞を専門的に扱う、世界でたった一つの博物館です。

なぜ、国際標準基準ものさしになるのか?

年縞博物館のホームページより引用します。

名勝「三方五湖」のひとつ「水月湖」は、年縞が形成される環境として「奇跡」と言われるほど理想的な湖です。その理由は、①直接流れ込む河川がない ②湖底に生物が生息していない ③時間が経過しても埋まらないためです。

水月湖では湖底がかき乱されることがなく、美しい縞模様が形成されます(①②)。また、断層活動のため湖が埋まることなく、水月湖では7万年もの間年縞を形成し続けており(③)、これほど長い間連続している年縞は、世界でも他に例がありません。

(出典)年縞について|福井県年縞博物館 公式HP(年縞博物館)

さいごに

年稿博物館は、2023年の科学ジャーナリスト賞の受賞の他、建築家の内藤廣さんが設計された建物ということで数々の建築・デザイン賞も受賞しており、建物好きな方にとっても見応えありです。

北陸新幹線終点、敦賀駅から年縞博物館や三方五湖を巡るバスも運行しているようです、
7万年の歴史を感じてみてはいかがでしょうか。


毛利 この記事は
DOWAエコシステム 企画室
毛利 が担当しました

※ご意見・ご感想・ご質問はこちらのリンク先からお送りください。
ご氏名やメールアドレスを公表する事はありません。

▲このページの先頭へ

ページの先頭に戻ります