選曲にこだわる理由
先月号で、「なんでもご相談窓口」の記事を担当した、エコシステムジャパン(株)の西山です。今回は仕事の話を離れて、趣味について書きたいと思います。
私の趣味は、子供の頃から習っていたピアノです。子供の頃は練習やレッスンを苦痛だと感じていましたが、受験を理由にレッスンを止めてからも、ずっと弾くことを止めず、この歳まで大きなブランクもなく続けてきたのは、よほど自分の性に合う趣味だったのだと思います。
子供の頃に、無理やりにも続けさせてくれた親に、今は感謝しています。
年に何回か、大人のピアノサークルのようなところで演奏しますが、世の中にはこんなにピアノを弾く大人、特に男性が多いのかと驚かされます。技量のレベルも、初心者からセミプロ級まで様々な人がいます。
私の得意分野は、もっぱらクラシックです。
クラシックのピアノと言えば誰でも、ソロの演奏を思い浮かべると思いますが、私の嗜好は少し違って、ソロでピアノを弾くことがそれほど好きではありません。多くの友人が、ベートーヴェンやショパンなど、立派なソロの演奏を披露してくれるのですが、私は、ソロの曲を練習しようとしても、どうも身が入らないことが多いのです。
私が好きなのは、人との合奏です。ピアノ1台を2人で弾く連弾、ピアノ2台のデュオ、バイオリン、フルートなどの楽器や歌の伴奏、3人以上で演奏する室内楽など、色々な形態があります。
人から伴奏を頼まれると、曲が難しかったり練習期間が短かったり、色々な困難があったとしても、何とかしようと頑張ります。
さらに好きなことは、サークルで共演相手を見つけることです。「この人とどんな曲を一緒に演奏したら楽しいだろう?」と考えを巡らし、声を掛けて共演したことが何度もあります。
相手が私の選曲を気に入ってくれると、とても嬉しいものです。一度限りの共演になる人もいれば、それから何度も共演する人もいます。私の部屋には、選曲の機会を待つ楽譜やCDが壁一杯の本棚に並んでいます。並んでいる楽譜の中で、実際に本番で弾いたのは1割にも満たないかもしれません。
また、子供の発表会で自分の子供と共演するのも密かな楽しみです。親子で連弾ともなれば、ここぞとばかりに選曲にこだわります。
主役である子供の技量を引き立てながら、自分のパートも含めて聴き映えする曲を選ぶためには、自分の本棚のみならず、楽器店の棚を隅から隅まで探すことも厭いません。曲が決まれば、何ヶ月もかけて休日ごとに納得行くまで練習します。子供はどう思っているか分かりませんが、親子のよいコミュニケーションになっていると思います。
こうして我が身を振り返ると、私は、ピアノが好きなのと同じぐらい、ピアノを通じたコミュニケーションが好きなのだと思います。そして、自分の得意分野で人の役に立ったり、人に楽しんでもらったりするために準備を重ねることも、また好きなのだと思います。
この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室
西山 が担当しました