住民・訪問者 ~日曜の午後1~
世界で隣人同士、隣国同士でいがみ合ったりしているニュースが盛んに流れている。日向ぼっこをしながら、こんな新聞記事を見ると暗澹とした気分になる。
さて我が家では、・・と目を向けてみると、家族と、里親として引き取った犬(♂)1匹。メダカ数匹。でも、さらによく見ると、想定外の訪問者や住人がいる。
我が家には猫の額ほどの庭に野菜を植えていて、ここにヒヨドリがやってくる。大根の葉っぱが好物のようで、葉っぱを食べている顔が満足そうに見えてちょっとおかしい。私のとなりでは家人がちょっと不満そうな顔をしているが、他の野菜を食い荒らすこともないので、まあ問題ない。
子供に人気なのはジョウビタキ。子供が付けた名前が「干し柿」。彼の目当ては木の中にいるカミキリムシの幼虫だ。木の中で越冬中の幼虫は、木を割ったりするとぽろっとこぼれて出てくる。「干し柿」は、人が庭で作業をはじめると、手が届きそうなところまで近づいてきて、その「ポロッ」をじっと待っている。視線を感じるほどに熱心だ。
カミキリムシの幼虫は、ケヤキの木が大好きで、ケヤキを積んだそばにしゃがんでそっと耳を澄ませると、中でバリバリと木をかじる音がはっきり聞こえてくる。子供に聞かせたら、ちょっと変な顔をした後、「怖い」って。
土鳩とスズメもよく来る訪問者だ。彼らの目当ては畑にまく米ぬか。我が家ではお米は玄米で保存し、食べるときに、必要量を精米して食べている。こちらのほうが、同じお米でも断然、美味しく食べることができる。おいしい米ぬかも手に入る。米ぬかは我々人間も食べるので、いつも畑にまいているわけではない。しかし、どこで見ているのか、畑にまくと彼らはすぐにやってくる。
畑の隅にあるコンポストの脇には、野ねずみ(ヒメネズミ?)が住んでいる。コンポストの中が乱れているなあと思ったら、彼らの仕業だった。半地中型コンポストの側面を食い破り、今ではしっかりコンポストを食糧庫にしている。近ごろは慣れたもので、コンポストの蓋をそっとはずし、残飯を入れると、小さな顔をチョコンと出して巣の中にグイグイ引っ張り込む仕事っぷりを見せてくれる。まあ、あまり巣が大きくなると、塀の土台が傾いたってことになっては困るので、この春には我が家からお取引を願おうかと家族と話をしている。
浄化槽には、貝が住んでいる。サカマキ貝という種類で、浄化槽のクリーニングの業者によると、100件ぐらいに1件は“住んでいる”そうだ。けっこう、きれいな安定した水の浄化槽に住んでいると教えてもらい、ちょっとうれしい気持ちになる。我が家では、あまり難しい洗剤を使わない。シャンプーも洗濯も台所も石鹸で済ませる。サカマキ貝もネズミと同じで、多くなりすぎると機器のトラブルにつながるが、いまのところ害を与えるほどの数ではないようだ。よしとしよう。
こんな彼達にあいさつしてまわると、時間がすぎるのが早かったりする。
お隣さんの存在を認め合い、助け合いながら穏やかに共存できたらいいなぁ・・・、穏やかな日曜の午後に、ぼんやりと思ったりする。
この記事は
イー・アンド・イー ソリューションズ
鈴木 が担当しました