環境事業の要である小坂製錬
今回は、DOWAの環境事業の要である小坂製錬(株)について紹介します。
まず、何故小坂製錬が環境事業の要なのでしょうか。
小坂製錬は鉱石だけでなく、工場などから発生した、貴金属を含むスクラップや各種廃電子基板類などのリサイクル原料を炉に投入し、金・銀・銅・鉛やレアメタルなど多くの金属を製錬・回収しています。
リサイクル原料には、様々な種類があり、一例としては、廃家電や使用済み自動車を解体した際に回収される基板類、エコシステム秋田など廃棄物中間処理施設にて発生する中間産物などがあります。
先月号で紹介した小型家電リサイクル事業において回収される金属も小坂製錬にて製錬されます。
では、何故小坂製錬では、鉱石だけでなく様々な種類のリサイクル原料を受け入れられるのでしょうか。
それは、明治時代に創業して以来培ってきた鉱山・製錬技術があるからです。
かつて小坂鉱山から採掘された鉱石は、黒鉱(複雑硫化鉱)と呼ばれ、有価金属を豊富に含有しています。その反面、不純物もたくさん含まれており、製錬が難しいものです。この鉱石を製錬するために、長年蓄えてきた経験・技術が今の各種リサイクル原料(黒鉱同様に様々なものが複雑に混ざっているもの)処理に応用され活かされています。
現在、小坂製錬では、金・銀・銅だけでなく、鉛、スズ、ビスマス、セレン、テルルなど、全部で18種類の元素を回収することが出来ます。
■秋田地区 環境・リサイクルコンビナート
小坂製錬がある小坂地区と、その隣の大館(花岡)地区にはDOWAの様々な工場があり、巨大な環境・リサイクルコンビナートを形成しています。
乾式および湿式による製錬、廃棄物中間処理、最終処分場までが集まっていることで環境事業にシナジー効果を生んでいるのです。
DOWAのコンビナート内で発生したものはもちろん、全国各地、世界各国から様々なリサイクル原料を受け入れ、世界の持続可能な社会づくりに貢献しているのです。
この記事は
DOWAエコシステム 海外事業推進部
蔵石 が担当しました