使用済み小型家電のリサイクルに関する社会実験について
最近、ニュースや新聞等でよく取り上げられている「小型家電のリサイクル」。平成25年4月から新しい法律のもと、全国的にリサイクルの取り組みがスタートしました。
DOWAエコシステムはこれまで、秋田県やその他の自治体、大学等に協力しながら小型家電のリサイクルを推進するとともに、リサイクル制度化に向けた国の取り組みに積極的に関与してきました。
今回は、平成24年4月から1年間、東北地方で東北地方環境事務所によって実施された小型家電リサイクルの社会実験について、その取り組みの内容をご紹介します。
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■社会実験のねらい
これまで、秋田県ほか全国の主要地域において小型家電のリサイクルが実証されてきましたが、平成25年4月以降、新制度への円滑な移行のためには、より多くの小型家電を集めるため、住民への十分な周知とインフラの整備が課題でした。なかでも東北地方は、国内有数の非鉄製錬技術が集まりリサイクル拠点として有望な地域ですが、東日本大震災で被災した地域も多く、その復興が望まれています。
こうした背景を受け、東北地方環境事務所(環境省の出先機関)は東北地方の主要地域を対象に、小型家電のリサイクル制度化への円滑な移行と、東北地方に雇用を創出するため、「平成23年度小型電気電子機器リサイクルシステム構築社会実験事業」を実施しました。この社会実験事業を、DOWAエコシステムが受託しました。
■実施した地域と、小型家電の回収方法、回収量について
実施地域 | 回収方法 | 回収量 (カッコ内は1人当たりからの回収量) |
---|---|---|
青森県鶴田町 | ステーション回収 ピックアップ回収 |
約18トン(1.3kg/人) |
岩手県盛岡市 | ボックス回収 イベント回収 |
約1.8トン(0.01kg/人) |
秋田県(全市町村) | ピックアップ回収 ボックス回収 イベント回収 |
約212トン(0.22kg/人) |
山形県酒田市 | ピックアップ回収 ボックス回収 |
約28トン(0.44kg/人) |
福島県石川郡(5町村) | ピックアップ回収 ボックス回収 |
約9トン(0.27kg/人) |
回収方法について
- ステーション回収
- 自治体が「小型家電」というごみ分別区分を作り、ごみ集積場所等で小型家電を回収する方法
- ピックアップ回収
- ごみ処理場に持ち込まれる埋立ごみや粗大ごみ等から、小型家電を選別(ピックアップ)する方法
- ボックス回収
- 専用の回収箱(ボックス)を様々な地点に常設し、住民自ら小型家電を投入する方法
- イベント回収
- 地域の環境イベント会場に回収箱を設置し(あるいは単独のイベントを開催し)、イベント期間内に限定して小型家電を回収する方法
■得られた成果
各種イベントの開催やテレビ・ラジオCM、広告やポスター・チラシの配布などによって十分な周知をした結果、実施した5つの地域で合計269トンの小型家電を回収しました。
集まった小型家電は各地域の再資源化処理業者に引き渡され、手分解や機械による破砕などをし、鉄110.7トン、アルミ2.9トン、電子基板4.2トンなどが得られました。鉄やアルミは資源として製鋼・アルミ精錬業者等に売却されたほか、電子基板は非鉄製錬所に原料として供給され、金や銀、銅などが回収されました。
■小型家電リサイクルに関するDOWAの取り組み
DOWAエコシステムの事業子会社であるエコリサイクルは、これまで秋田県やその他自治体に協力し、小型家電リサイクルの試験を通して様々な知見や技術を蓄積してきました。それらのノウハウを活かし、小型家電リサイクル法のもとにおいても適切なリサイクルが行えるよう、現在、環境省・経済産業省に対して再資源化事業計画の認定申請を行っています。
また、グループ会社である小坂製錬では主に高品位基板のリサイクルを、グループ会社のエコシステム小坂やエコシステム岡山では低品位基板のリサイクルを通じて、国内の小型家電などの廃電子機器のリサイクルをより一層推進していきます。
DOWAエコシステムグループは、今後も小型家電のリサイクルと適正な資源循環に貢献していきます。
【お問い合わせ先】
小型家電リサイクル: | エコリサイクル | 0186-47-1001 |
---|---|---|
高品位基板リサイクル: | エコシステムジャパン リサイクル原料部 |
03-6847-7012 |
低品位基板リサイクル: | エコシステムジャパン SDリサイクル部 |
03-6847-7011 |
この記事は
株式会社エコリサイクル
狩野 が担当しました