DOWAエコジャーナル

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汚染土壌の原位置処理技術のご紹介

土壌地下水展DOWAブースのステージでプレゼンテーションした「原位置処理術編」を紹介しています。
「汚染土壌の適正処理技術とトレーサビリティのご紹介」へ

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改正土壌汚染対策法の施行も間近になっているなかで、今後、土壌の現地浄化がどのように変わっていくのか、浄化会社である「DOWAエコシステムの目線で分析」してみたいと思います。

最近、お客様と営業で接していると『改正法が施行された後、いったいどうなるのか?』といった疑問をいだくことが多くなってきました。
法改正により社会の動きがどう変わっていくのかが分からないというのが大きな理由のようです。

【画面-1】【拡大
土壌汚染対策法が施行されて5年・・・土壌汚染への認知度が上がった一方、過剰なイメージが付いてしまった傾向があります。
「汚染土壌は存在するだけで健康被害を引き起こすから、完全に土壌をきれいにしなければならない」というイメージです。
そのため、土壌処理も掘削除去や現地処理による、完全浄化を求められることがほとんどです。
本来はそこまで過剰な対応をしなくても、被覆や封じ込め等でも必要十分な条件を満たせば、汚染土壌による健康被害は十分に防ぐことが可能です。
こういった、汚染土壌に対するイメージと取り組み方を変え過剰反応をしないようにするということ。
まさに「イメージチェンジ」をはかって必要十分なだけの対策を推進する。これが改正法の狙いです。

【画面-2】【拡大
では改正法で、どのように土壌処理が変わるのか。
大きなポイントは場外処理が厳格化され、対策内容について都道府県知事から取るべき対策の内容が指示される点です。
そのため、改正後はこれまで多く実施されてきた場外処理から現地処理へシフトしていくことが想定されます。
さらに、改正法では健康被害のおそれがある土地に対して、なんらかの措置が必要な要措置区域と、汚染はあっても、土を動かさなければ、対策をする必要のない形質変更時要届出区域に分けられます。
土壌処理もそれぞれの目的に応じて、大きく分けて、拡散防止対策と汚染源対策の2つに分けられます。

【画面-3】【拡大
拡散防止対策とは【画面-3】に示した、立ち入り禁止区域の設置、盛土、舗装などで、人が汚染土壌を直接摂取するのを防止する対策です。

【画面-4】【拡大
その他に、地下水飲用リスクに対しては【画面-4】に示した、封じ込めや不溶化措置により、拡散を防止するような措置があります。

【画面-5】【拡大
もう一つの汚染源対策は掘削除去や原位置浄化により根本的な汚染を土地から取り除くことによって、土壌と地下水を浄化するものです。
一般的にはこの拡散防止対策と汚染源対策はどちらか一方だけでは、土壌汚染の管理が不十分なものになってしまいます。
また、法律上の土地の指定を解除するためにも、この2つの対策を組み合わせて実施していく必要があります。
そのサイトの用途、評価額、リスクを考えこれらをうまく組合せながら対策が行っていくことが、これからの土壌汚染対策に求められるものとなります。
そのため、浄化会社を選定するときも、全体のリスク管理が考えられる会社に依頼することがポイントとなります。

【画面-6】【拡大
では、具体的にそれぞれの対策方法にはどのようなものがあるのかを我々DOWAの代表的な技術を例にご紹介したいと思います。
まず、拡散防止対策として、鉄粉を用いた透過反応壁、バイオによる地下水浄化、揚水と組み合わせたマイクロバブル・オゾン注入工法などがあります。
また、汚染源対策として、現地洗浄プラントを用いた現地洗浄技術。
次に、揮発性有機化合物、いわゆるVOC の汚染源対策として、土壌浄化用鉄粉を用いた鉄粉混合法などがあります。
これらの工法をうまく組み合わせることによって土壌・地下水汚染を対策していくことになります。
簡単に個別の技術内容をご説明します。

【画面-7】【拡大
まず、拡散防止対策として、地下水の微生物処理があります。 写真に示す微生物栄養剤「バイオエンゼル」を溶かしこんだ水を地中に注入し、微生物を活性化させることにより地下水の浄化を行うバイオ工法です。特徴は、

  1. 森永乳業と共同開発した製品
  2. そのため既存品より非常にコストメリットがある
  3. 微生物浄化は大型の重機が入れないような場所でも対策可能
  4. 土壌中の微生物を活性化させ分解・無害化するため、環境への負荷も小さい

という点です。

【画面-8】【拡大
鉄粉を用いた透過反応壁PRB工法です。
鉄粉を混合添加した透水性の高い透過反応壁に汚染地下水を透過させ、流れてきた汚染地下水を浄化して下流に流すというシステムです。
特徴としては、

  1. 長期にわたり効果が持続。13 年間浄化効果が持続した実績もある
  2. わずらわしいメンテナンスを行う必要なし。設置後の発生コストはモニタリング費のみ
  3. 揚水等とは違い、地上設備が不要

という点です。

【画面-9】【拡大
揚水対策です。揚水に組み合わせたマイクロバブル・オゾン工法を紹介します。
このマイクロバブル・オゾン工法は、細かい気泡であるマイクロバブル水にオゾンガスを混合させた水溶液を注入することによって、汚染物の剥離・分解を促し油・VOC を浄化します。剥離した汚染物質は揚水により回収し、水処理を実施します。
特徴としては

  1. 敷地境界での拡散防止対策。また、汚染源対策としても活用できる
  2. 揚水では効果が上がらなくなったサイトにたいし、マイクロバブルオゾン工法により、浄化促進を行うことができる

という点です。
次に汚染源に対する対策方法をご紹介します。

【画面-10】【拡大
重金属汚染の浄化対策として、【画面-10】のような現地洗浄プラントを用いた現地洗浄技術があります。
洗浄処理は場外で処理する技術としては広く知られていますが、この技術を現地に持ち込んで実施するものです。
重金属の分離・抽出技術といった鉱山時代から培った高度な技術を転用していますので、DOWAの得意分野と言うことができます。
特徴としては

  1. 浄化土を現地で再利用でき、搬入出する土量を削減できる
  2. これにより、コスト削減が可能で、サイトの規模が大きくなるほど削減効果が大きくなる

という点です。

【画面-11】【拡大
VOCの汚染源対策として、DIM工法(鉄粉混合)があります。
これは鉄粉を直接地中に混ぜ込んで浄化を行う工法です。
特徴としては

  1. 汚染源を直接浄化ができ、深部の汚染も対策可能
  2. 鉄粉は弊社独自開発の土壌浄化用鉄粉を用いており、一般に分解浄化が困難なcis-DCE やDCM の分解もこの鉄粉なら大丈夫
  3. 少量の鉄粉で浄化が可能と
  4. 地下水のついていない不飽和帯でも浄化が可能

という点です。
これまで紹介したのは現地浄化工法の一部ですが、このような現地対策だけで万全というわけではありません。

【画面-12】【拡大
汚染物質の種類や濃度によっては、現地の対応だけでは対策できないものや、土地の使用状況によってはどうしても外に出さなければならないものが発生します。
そのため、汚染土壌対策では現地で行うこと、外に出して処理を行うことをうまく組み合わせて対策を行う必要があります。
この点については土壌汚染対策法が変わっても今までと変わりません。
現地および場外の対策を適切に管理していくことによって、土壌汚染に対するイメージを少しでも変え、必要のない対策=コストを削減し、本当に健康被害が起こらないような環境を維持できるようにすることが今後一層、求められてくると考えています。
「帯に短し襷に長し」にしないでちょうど良い最適の管理を行う事がベストなのです。

【画面-13】【拡大
結論として法改正が行われても、皆さまは何も心配するようなことはありません
この写真のように動物園で危険なトラを安心して見学できるように、汚染土壌もしっかりと管理すればおそれることはありません。
DOWAではこれまでの実績を元に汚染土壌の処理・管理をしっかりと行わせていただきますのでどうぞご安心ください。

私どもDOWAエコシステムは今後もみなさんが安心して土壌汚染対策を任せていただけるように、場外処理、現地処理を組み合わせた最適な管理を心がけてまいりますのでどうぞよろしくお願いいたします。
このプレゼンテーションでお話しできなかった詳しい部分や、浄化技術などについてはあちらにあるブースパネル(ブースパネル記事へリンク)に記載されております。
ブースパネル記事へ

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