インドのごみ事情 −その1
2010年~11年に、工場を対象とした環境調査でインドへ行く機会がありました。
残念ながら、安全上の理由でホテルからの外出は工場との往復を車で走っただけで、街中を歩くことはできませんでしたが、車窓から見たインドのごみ事情についてお話ししたいと思います。
私が訪問した工場では、廃棄物は品目ごとに分別され、指定の置き場に集められており、管理がしっかりしていました。これらの産業廃棄物は、許可を持った廃棄物業者へ委託処分をしているとのことでした。
工場内に設置されたごみ箱です。
左から廃プラスチックなど非生物分解性廃棄物、紙などの生物分解性廃棄物、金属くず。
撮影時はちょっとはみ出していましたが、順次廃棄物置き場へ運ばれていました。
訪問するまでは、環境にあまり配慮されていないのではないかと思っていたのですが、日本と同じような管理がされていて、調査ではコメントすることも少なく、スムーズに進めることが出来ました。
一方、工場とホテルを往復する道では、一般ごみがあふれている光景にも遭遇しました。
インドの各都市では、行政によるごみ収集が実施されているとのことですが、大都市では発生するごみの量に対処できていない状況もあるようです。
これは、チェンナイ市(旧マドラス)の幹線道路で見た風景です。道路沿いに数百m単位で、一般ごみが山積みになっていました。
また、集まったごみを野焼きしている所もありました。遠目にはペットボトルやプラスチックごみが多く見受けられ、車内でもそれらが焼けるにおいが感じられました。
捨てられた生ごみを、動物(犬、猫、牛、豚など)が食べている光景もよく見られました。牛や豚は、飼われていないものもいるようです。
私が滞在中、調査で使用した機材の廃棄を地元の下請け業者に頼んだ時のことです。業者は「OK」というと、機材を持って工場の境界まで歩いていき、隣の空地へ放り投げてしまいました!「なんでそんなことするんだ?」と言うと、業者は特に悪びれることもなく「誰かが拾うさ」と答えました。(もちろん、放った機材は回収させました。)
先ほどの動物の例も含め、これらは原始的なリサイクルシステム(?)と言えないこともないのかと、考えさせられました。また、先ほどの道路脇や空き地などの空いている場所にごみを捨てる心理は、日本人のポイ捨てと変わらないと思いました。
»次の記事インドのごみ事情 −その2
この記事は
イー・アンド・イー ソリューションズ
石津 が担当しました