身の回りにあるエコ・フランス その1
〜観光都市だからこそ ごみ問題〜
世界中で多くの人、国が大きな関心を寄せ、課題となっている「エコロジー」。
フランス・パリでも様々な形で「エコロジー」へのアプローチが盛んです。そんなフランス・パリ市で見かける、市民に身近な「ごみ問題」について、早速ご紹介します。
■回収頻度
ごみの回収頻度は居住地区によって異なります。
パリは世界的に有名な「観光都市」なので当然、「綺麗」なイメージ保つ必要があります。
- 「燃えるごみ」「燃えないごみ」が毎日回収される地区
- 「燃えるごみ」は毎日、「燃えないごみ」は週に2回回収される地区
- 「燃えるごみ」が毎日朝と夕の2回回収され、「燃えないごみ」は毎日回収される商業地区
など、その地区や環境によって回収頻度は異なります。
パリ市から収集したごみを処理するイシ・ムリノ市のごみ処理場
こちらはパリ市南西にセーヌ河を挟んで隣接するIssy-les-Moulineauxのごみ処理場SyctomのHP
回収されたごみを一旦出して選別します。(包装プラスチック・紙・缶)
アパートに設置されているごみ箱
日本では「燃えるごみ」「燃えないごみ」だけでなく、「缶」「瓶」「ペットボトル」「段ボール・新聞・雑誌」「容器包装プラスチック」や、地域によってさらに細かい分別がありますが、パリ市は分別するのは「瓶」と「包装プラスチック及び紙及び缶」、「生ごみ」、「その他リサイクル不可能」の4種類です。
左からガラス、包装プラスチック・紙・缶、食品残飯、リサイクル不可能(汚れている素材が混ざっている等)
何故プラスチックとダンボールと缶と雑誌等が一緒なの?等と分別・識別が難しく、慣れが必要です。
「包装プラスチック・紙・缶」のプラスチックごみとダンボールなど紙ごみや缶はごみ処理場で焼却前に人の手によって分けられています。
瓶は分別には迷いません。ワイン、ジュース、ヨーグルト、マヨネーズ、マスタード等、フランスの食品はまだまだ日本と比べると「ガラス瓶」が使われている商品が多くあります。これはもう国民のメンタルらしく「プラスチックは気持ち悪い」という根強い文化が残っています。
ガラスといっても色がついている物、透明な物など様々ありますが、全て同じ「瓶専用ごみ箱」へ入れます。
一方、若い人たちには「ボトル入りケチャップ」や「ボトル入りバーベキューソース」などが大人気です。日本で容器包装のプラスチックごみを捨てる際に、洗ってからごみ箱へ入れると思いますが、パリではそういう配慮はありません。
写真左:緑の本体に緑の蓋が生ごみ用 / 写真右:緑の本体に黄色の蓋がプラ・缶・紙用
そしてごみは、まさに「バラバラ」に放り込まれています。これは規則として「ビニール袋に入れない事」ということになっているので、自宅でごみ袋に入れて分別していても、ごみ箱へ移す時にビニール袋から出さなければいけないからです。
さて、それではどうやってこの「紙」「プラスチック」「袋」などを識別するのでしょうか?
こちらがそのマークです。
写真左:リサイクル・ピクトグラム 人と矢印 / 写真右:リサイクルマーク・矢印(量り売りの袋)
写真左:プラスチックごみ箱へのピクトグラム / 写真右:袋マークは「プラスチック」の意味
白い蓋のごみ箱が、瓶専用のごみ箱です。瓶は白い蓋の真ん中からドンドン放り込むようになっています。このようにする事で、上から放り込んだものが下にあるものに当たって大きな音とともに割れます。都合よく、瓶がある程度破壊されている形でごみ箱に溜まる仕組みです。
写真:ガラス瓶専用のごみ箱。丸い穴が投入口です。白い蓋は開きません。
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この記事は
パリ市のセーヌ河近くに住む
カフェ・めぐみ が担当しました