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中国における環境ビジネスについて −その1

1. はじめに

世界経済を語る際、いまや中国の存在抜きに語ることは出来ないでしょう。
国家の方針も、経済発達、科学技術向上に重点が置かれています。
しかしその弊害として、かつての先進国が直面した、環境保全・資源有効利用・省エネ、などの問題に直面しています。そのため、『環境にやさしい循環型経済』も国家の重要政策の一つとしてクローズアップされています。

2. 蘇州同和資源総合利用有限公司の紹介

当社はDOWAエコシステム(90%)と政府系投資会社(10%)の合弁会社です。2004年から蘇州新区で環境事業を展開しています。主な業務は下記の3つであり、それぞれ適正処理可能な専用工場を有しています。

  1. 貴金属のリサイクル(湿式工場)
  2. 銅含有廃棄物リサイクルおよび一部産廃物の処理(乾式工場)
  3. 廃家電リサイクル(家電リサイクル工場)

特に廃家電リサイクルに関しては、2011年1月から法施行されることが決定しています。

当社は2009年に手解体メインの廃家電リサイクル工場を建設・操業していますが、更なる適正処理・資源循環を目指し、日本基準に則った最新工場を建設しました。2010年12月完成、既に試験操業を開始しています。
既存の湿式工場・乾式工場に新家電工場が加わり、世界に先駆けた三位一体のリサイクル体制が整いました。

3. 廃棄物集荷にあたって

1)危険廃棄物の移動申請

中国においては、対象物が有価物であっても、国家が指定した危険品に該当する場合は所管部署(=環境保護局)へ移動申請を提出しなければなりません。また、処理会社は該当する危険品の処理資格が必要です。中国で廃棄物を排出する場合は、それが危険品に該当するか、また処理委託先に処理資格があるかが重要なポイントです。
移動申請の流れは以下の通りですが、環保局は地元処理を優先するケースが多く、顧客・処理会社間で処理方法・処理費用が合意済でも移動申請が批准されない場合もあります。

2)廃棄物に関する考え方

行政や企業、一般市民の環境意識は日に日に高くなっていますが、適正処理の方法やその費用に関しては、まだまだギャップがあるように感じられます。有価物スクラップを例にとってお話しすると、当社の場合、分析値に基づき含有量を確定させ価値を算出。その後適正処理に必要な処理費用を差し引き、スクラップ購入価格を決めます。要するに素材価値から適正処理費用を差し引く方法です。一方、有価物に付帯する電子部品をリユース前提でスクラップ価値を算出する会社もあります。その場合、素材価値より高い提示額となります。リユースは究極の環境保護と思いますが再使用不可部分が処理されず何処かへ・・・、というケースがありえます。それを防止するために、電子廃棄物は危険廃棄物に認定されており、リユースも禁止されているのですが・・・。

4. 今後の蘇州同和の役割

当社は蘇州市新区で7年に渡り適正処理を実施してきました。開業当初は当社の考え方を理解してもらえず非常に苦労したと聞いています。しかし、7年間の活動の結果、行政関係者・顧客へ適正処理の必要性が理解されつつあると実感しています。そしていつか、一般市民すべてが環境に対し関心を持ってもらえるようになって欲しいと感じています。そのために当社がやるべきことは、今まで同様適正処理を継続することです。
また、3工場一体でのシナジー効果を高めることで模範工場として中国の環境保全に貢献し、適正な3Rの重要性を粘り強く訴えていくことと考えています。


この記事は
DOWAエコシステム リサイクル事業部
池田 が担当しました

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