残留性有害汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約) その2
■加盟国の主要な責務
「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」(以下「POPs条約」)では、加盟国の主要な責務として、以下の内容を定めています。
- 製造・使用、輸出入の原則禁止(附属書A)
【対象となるPOPs】
アルドリン、エンドスルファン類、エンドリン、クロルデコン、クロルデン、ディルドリン、ヘキサクロロシクロヘキサン類、ヘキサクロロベンゼン、ヘキサブロモビフェニル、ヘプタクロル、ペンタクロロベンゼン、ポリブロモジフェニルエーテル類、PCB、マイレックス、トキサフェン - 製造・使用、輸出入の制限(附属書B)
【対象となるPOPs】
DDT、PFOS及びその塩・PFOSF - 非意図的生成物の排出の削減及び廃絶(附属書C)
【対象となるPOPs】
ダイオキシン、ジベンゾフラン、ヘキサクロロベンゼン、ペンタクロロベンゼン、PCB - POPsを含むストックパイル(在庫)・廃棄物の適正管理及び処理(汚染土壌の適切な浄化を含む)
- これらの対策に関する国内実施計画の策定
■対象となるPOPsについて
意図的につくられたもの、非意図的に生成されたものを含めて、1.~3.の化学物質が指定されています。
国内では、DDT、エンドリン、ディルドリン、アルドリン、クロルデン、ヘプタクロル等は農薬の有効成分として過去に使用されており、また、PCBは絶縁性が高く、安定性、耐熱性、粘着性、伸展性に富むなどの特徴を持つことから、トランス、コンデンサー、感圧紙等多数の工業製品に用いられてきました。
対象となるPOPs全てが規制されるわけではなく、その用途によっては、代替の見通しの立たない化学物質も存在するため、その用途を除外する規定があります。例えばPFOSは半導体用途や写真フィルム用途等における製造・使用等については適用除外となっています。
なお、PCBについては、2025年(平成37年)までに使用停止に努めること、2028年(平成40年)までに処理するよう確固たる努力を払うことが規定されています。
また、POPs検討委員会(POPRC)において、以下の化学物質の条約への追加について現在審議されています。
- 短鎖塩素化パラフィン(SCCP)
- ペンタクロロフェノール(PCP)とその塩及びエステル類
- デカブロモジフェニルエーテル
- ジコホル
この記事は
エコシステムジャパン株式会社 営業企画部
堀岡 が担当しました