エコプロ2015より(2) 〜自然由来重金属含有土壌とは?〜
「エコプロダクツ2015のブースツアー」を、数回にわたりシリーズとしてエコジャーナルで再現して行きます。
第2回は自然由来重金属含有土壌とその浄化法(DME)です。
パネル(2)〜乾式磁力選別処理「DME」〜
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1)自然界の重金属
火山列島である日本は、自然界に様々な重金属が存在しています。自然に存在する重金属のうち、下の8つは過剰に摂取すれば健康に影響する重金属として、土壌汚染対策法で規制されています。
重金属は山の内部の岩石にも存在し、これらは安定した形で存在するので水にも溶けにくく、山の内部にあれば人に直接触れることもありません。しかし、掘り出されることによって、空気と水に触れ、「風化して粒子が細かくなる」、「pHが酸性となる」などによって重金属が溶け出すようになることがあります。
また、このような自然由来の重金属の特徴として、含有量(土に含まれる量)はわずかでも、溶出量(土から溶け出る量)が土壌汚染対策法の基準値を超える傾向があります。
2)大規模工事により発生する大量の土
今後、下図のような鉄道や道路をはじめ、さまざまな大規模工事が計画されています。これらの工事により大量の土が出てくることになります。
これらの自然由来の重金属を含有している岩石や土は浄化することで、街づくりに利用することができます。私たちは「乾式磁力選別処理 DME(ディーエムイー)」を使うことで、自然由来重金属汚染土壌を浄化します。
3)DME(ディーエムイー)の仕組み
掘り出した、汚れた土と浄化用に開発した特殊な鉄粉を混ぜ合わせます。
鉄粉には砒素や鉛などの重金属を吸着する特徴があります。自然由来重金属含有土壌に特殊鉄粉を混ぜ合わせ、鉄粉に重金属を吸着させた後、磁力を用いて特殊鉄粉を回収すると、土壌から特殊鉄粉とともに水溶性の重金属などを除去することができます。
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この記事は
DOWAエコシステム ジオテック事業部
永瀬 が担当しました