「プラスチック資源循環戦略」が策定されました
第四次循環型社会形成推進基本計画を踏まえ、資源・廃棄物制約、海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化、アジア各国による廃棄物の輸入規制等の幅広い課題に対応するため、3R+Renewable(再生可能資源への代替)を基本原則としたプラスチックの資源循環を総合的に推進するための「プラスチック資源循環戦略」が策定されました。
【関連ページ】
プラスチック資源循環と海洋プラスチックごみ対策については、以下のページを参照してください。2019年5月31日に公表された、「プラスチック資源循環戦略」、「海洋プラスチックごみ対策アクションプラン」、「海岸漂着物対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針」の変更について整理しています。
1. 経緯
- 2018年6月19日
- 閣議決定 第四次循環型社会形成推進基本計画に「プラスチック資源循環戦略」を策定することが盛り込まれた
- 2018年7月13日
- 環境大臣から中央環境審議会に諮問
- 2018年8月17日~
- 中央環境審議会循環型社会部会プラスチック資源循環戦略小委員会において審議
- 2018年11月19日
~2018年12月28日 - パブリックコメント
- 2019年3月26日
- 中央環境審議会から環境大臣へ答申
- 2019年5月31日
- 「プラスチック資源循環戦略」策定
2. 概要
3. ポイント
(ア)背景・ねらい
第4次循環型社会形成推進基本計画(2018年6月)に基づき、「資源・廃棄物制約」・「海洋ごみ対策」・「地球温暖化対策」等の幅広い課題に対応しながら、アジア各国による廃棄物の禁輸措置に対応した国内資源循環体制を構築しつつ、持続可能な社会を実現し、次世代に豊かな環境を引き継いでいくため、再生不可能な資源への依存度を減らし、再生可能資源に置き換えるとともに、経済性及び技術的可能性を考慮しつつ、使用された資源を徹底的に回収し、何度も循環利用することを旨として、プラスチックの資源循環を総合的に推進するための戦略を策定し、これに基づく施策を国として推進していきます。
(イ)基本原則
3R+Renewable
- 廃棄物の発生抑制
- :無駄に使われる資源を徹底的に減らす
- 再利用
- :できるだけ長期間、プラスチック製品を使用する
- 再生利用
- :徹底的に分別回収し、循環利用
- 熱回収
- :リサイクルによる再生利用が技術的経済的に難しい場合には熱回収によるエネルギー利用を含める
- +再生可能資源
- :原料を再生材や再生可能資源(紙・バイオマス)に適切に切り替える
(ウ)重点戦略
- (1)プラスチック資源循環
- リデュース等の徹底
- 効果的・効率的で持続可能なリサイクル
- 再生材・バイオプラスチックの利用促進
- (2)海洋プラスチック対策
- (3)国際展開
- (4)基盤整備
4. マイルストーン
<リデュース>
- 2030年までにワンウェイプラスチック(容器包装等)をこれまでの努力も含め累積で25%排出抑制※
※各社・各団体ごとに取り組む前の基準年を設定し、それと比較して2030年までに25%の排出抑制を目指す
<リユース・リサイクル>
- 2025年までに、プラスチック製容器包装・製品のデザインを、分別容易かつリユースも可能又はリサイクル可能なものとする(それが難しい場合にも、熱回収可能性を確実に担保)
- 2030年までに、プラスチック製容器包装の6割をリユース又はリサイクル
- 2035年までに、すべての使用済プラスチックをリユース又はリサイクル、それが技術的経済的な観点等から難しい場合には熱回収も含め100%有効利用
<再生利用・バイオマスプラスチック>
- 2030年までに、プラスチックの再生利用(再生素材の利用)を倍増
- 2030年までに、バイオマスプラスチックを最大限(約200万トン)導入
5. さいごに
「プラスチック資源循環戦略」はボトムアップで積み上げていくタイプではなく、野心的な目標を掲げ、そこに向かって解決策を探りながら、イノベーションを促進し、進んでいくための「戦略」です。
「戦略」を実行するためには、政府・自治体・消費者・産業界それぞれが理解を深め、連携して、3R+Renewableに取り組んでいく必要があります。
私たちは、使い捨ての容器包装があるのが当たり前のこととして生活していますが、そんな現在のライフスタイルを見直さなければいけない、それは、省資源・廃棄物抑制という観点からだけでなく、海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化という側面からも求められているといえます。
詳しくは、環境省ホームページをご確認ください。
「プラスチック資源循環戦略」の策定について[令和元年5月31日]
プラスチック資源循環戦略小委員会
この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室
上田 が担当しました