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「海岸漂着物対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針」が変更されました

「海岸漂着物処理推進法」に基づく、「海岸漂着物対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針」が変更されました。

【関連ページ】
プラスチック資源循環と海洋プラスチックごみ対策については、以下のページを参照してください。

2019年5月31日に公表された、「プラスチック資源循環戦略」、「海洋プラスチックごみ対策アクションプラン」、「海岸漂着物対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針」の変更について整理しています。

なるほど話:プラスチック資源循環や海洋プラスチックごみ対策について

1. 概要

海洋ごみ対策に係る国際連携・協力の必要性が高まっていること等を踏まえ、平成30年6月に「海岸漂着物処理推進法」が改正されました。法改正を踏まえ、漂流ごみや海底ごみを含む海岸漂着物対策を総合的かつ効果的に推進するため、「海岸漂着物処理推進法」に基づく政府の基本方針が変更されました。

出所:海岸漂着物対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針の変更について(概要)

2. 海岸漂着物対策の推進に関する基本的方向

(1)海岸漂着物等(※)の円滑な処理

大量の海岸漂着物等によって、海岸の清潔の保持や海洋環境の保全に支障が生じている地域においては、まず海岸漂着物などの処理を進めることが必要。

(※)海岸漂着物等:海岸漂着物、海岸に散乱しているごみ、その他の汚物又は不要物、漂流ごみ等 以下同じ

(2)海岸漂着物等の効果的な発生抑制

日本の海岸漂着物等は、周辺国から漂着する場合もあるが、全国的にみれば国内に由来して、山・川・海へとつながる水の流れを通じて海岸などに漂着するものなので、海岸を有する地域だけでなく、すべての地域において共通の課題であるとの認識に立って、効果的な発生抑制が大切。

  1. 3Rの推進による循環型社会の形成
  2. まずは、海岸漂着物等になりえる、ごみの発生抑制に努めることが重要
  3. マイクロプラスチックの海域への排出の抑制
  4. 発生状況・原因に関する実態調査
  5. ごみ等の適正処理の推進
  6. ごみ等の投棄防止

(3)適切な役割分担と連携の確保

国や地方公共団体のほか、意欲ある国民や民間団体、事業者・研究者等、多様な主体が、適切な役割分担の下で積極的に取り組みを進め、相互に情報を交換しつつ連携・協力することが必要。

(4)国際連携の確保と国際協力の推進

国内での廃棄物処理の実績や海洋プラスチックごみに関するこれまでの研究成果を基に、G7、G20、国連の場を活用して、問題解決に向けた国際的な取り組みを牽引する。

(5)その他

環境教育、消費者教育、普及啓発など

3. さいごに

令和元年6月15日(土)~16日(日)に軽井沢で開催された、G20持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合」でも、海洋プラスチックごみに関して多くの議論がなされました。

環境セッションI(資源効率性・海洋プラ)における原田大臣のステートメントに「最も重要なことは、プラスチックごみの海への流出をどのように抑えるかであり、その鍵のひとつがイノベーションです。」とあり、

また、コミュニケ(声明)の「地球環境パート:環境大臣合意」では、

我々は、資源効率性の向上が、海洋ごみ、特に海洋プラスチックごみ及びマイクロプラスチックの問題の解決に貢献することを認識し、また、廃棄物の海洋への流出を削減するため、包括的なライフサイクルアプローチをとることの重要性についても認識する。

とされました。

そして、各国が自主的な対策を実施し、その取組を継続的に報告・共有する実効性のある新しい枠組みである「G20海洋プラスチックごみ対策実施枠組(仮訳)」が合意されました。

日本でも、廃プラ輸出が難しくなったことで廃プラスチックへの関心が高まっています。拡大生産者責任という考え方もありますが、使い捨てプラスチックの排出抑制は市民の方々にも深い関係があります。問題を他人事とせず、わが事として廃プラスチックの排出抑制や有効活用について議論がなされれば、イノベーションも起こり得るのではないかと期待されます。

【参照ホームページ】

環境省ホームページ
海岸漂着物対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針の変更について[令和元年5月31日]
G20持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合の結果について[令和元年6月17日]


上田 この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室
上田 が担当しました

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