有害使用済機器の保管等に関するガイドライン(1)
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律」(平成29年法律第61号)が第193回国会で成立し、平成29年6月に公布されました。
本改正のうち雑品スクラップ対策に係る部分について、平成30年3月に「有害使用済機器の保管等に関するガイドライン(第1版)」が発行されましたので、2回に分けて内容をご紹介します。
【参照ホームページ】
環境省ホームページ
有害使用済機器の保管等に関するガイドライン
有害使用済機器を保管又は処分する事業者のみなさまへ
【1】雑品スクラップ対策に係る法改正とは
<法改正の背景>
鉛等の有害物質を含む、使用済電気電子機器と金属スクラップ等が混合された物(いわゆる雑品スクラップ)等が、環境保全措置が十分に講じられないまま、保管や処分されることにより、火災を含む生活環境保全上の支障が生じており、対応の強化が必要となっています。
<法改正の内容> (廃棄物処理法第十七条の二)
- 使用を終了し、収集された機器(廃棄物を除く。)のうち、その一部が原材料として相当程度の価値を有し、かつ、適正でない保管又は処分が行われた場合に人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるものを有害使用済機器として定義
- 有害使用済機器の保管又は処分を業として行おうとする者に都道府県知事又は政令市長への届出を義務付け
- 政令で定める保管・処分に関する基準の遵守を義務付け
- 都道府県による報告徴収及び立入検査、改善命令及び措置命令の対象に追加(これらの違反があったときは罰則の対象)
【参考リンク】
平成29年度 廃棄物処理法改正のポイント その3(有害使用済機器の適正保管等の義務付け)
【2】有害使用済機器の該当性の基準
本改正における「有害使用済機器」の対象は、家電リサイクル法対象4品目、小型家電リサイクル法対象28品目ですが、これらの機器が「有害使用済機器」に該当するかどうかは、以下のフロー図で判断します。
また、ガイドラインでは、写真で例示して、以下の機器の取扱いについても定めています。
業務用機器 |
|
---|---|
破損した機器 |
|
部品 |
|
附属品 |
|
有害使用済機器と金属スクラップ等の混合物 |
有害使用済機器対象品目の機器と金属スクラップ等の混合物は、
|
以上の判断基準によって「廃棄物」として判断された機器は、廃棄物の処理基準に従って適正に処理する(又は廃棄物の処理業者に委託する)必要があります。
【3】有害使用済機器保管等事業者の届出
有害使用済機器の保管又は処分を業として行おうとする者は、都道府県知事又は政令市長へ届出を行わなければなりません。
(1)届出義務の適用が除外されている者
- 廃棄物処理業者の内の一部の事業者
- 家電リサイクル法や小型家電リサイクル法の認定業者等の内の一部の事業者
- 行政機関
- 有害使用済機器の保管量が少ないこと等により、人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれが少ないと考えられる者(事業場の敷地面積100m2未満)
- 雑品スクラップ業者以外の者が、業の目的以外で有害使用済機器の保管のみを一時的に行う場合
例)機器の修理時に交換後の故障品を回収し、有価取引等で他者へ引き渡すまでの間一時保管する修理業者や、機器の販売を本来の業務とし、販売業務に付随して使用済みの機器を回収し、有価取引等で他者へ引き渡すまでの間一時保管する小売店等
詳細は、ガイドラインの17~20ページを参照して下さい。
(2)届出の流れ
(3)届出について
届出時期 | 新規の場合は、事業開始10日前まで ※平成30年4月1日に、既に有害使用済機器の保管等を業として行っている者については、施行後6ヶ月(平成30年10月1日)まで 変更の場合は、変更の10日前まで 廃止の場合は、廃止後10日以内 |
---|---|
提出先 | 当該業を行おうとする区域を管轄する都道府県、廃棄物処理法第24条の2に定める政令市 |
届出内容の記録 | 届出内容の記録を保存しておくことが望ましい(届出書の副本等) |
様式等 |
|
詳細はガイドラインの21~25ページを参照して下さい。
届出様式の入手及び記載については、所管自治体にご相談下さい。
この記事は
メルテック株式会社
大原 が担当しました