廃棄物の情報管理とトレーサビリティ
Q.廃棄物の情報管理に困っています。うまくやる方法はありませんか?
- A.
-
今回は、お客様の廃棄物の情報を管理し、お客様のコンプライアンスのお手伝いをするDOWAの環境情報システム“DONUTS®”についてご説明いたします。
“DONUTS®”とは
Dowa-Network-Ultimate-Traceabilityの略称です。
産業廃棄物を排出する事業者には、大きく分けて3つの義務があります。
- 自らの責任において廃棄物を適正に処理する義務
(廃棄物処理法第3条) - 運搬または処分を他人に委託する場合は「委託基準」を守り、書面で契約書を交わす義務(廃棄物処理法第12条)
- 運搬または処分を他人に委託し引き渡す際にマニフェストを利用して管理する義務(廃棄物処理法第12条の3)
また、以下のような場合にも、法的責任を問われる事態につながる可能性があります!
(廃棄物処理法第19条の5、第19条の6、第25条)- マニフェストの適切な交付、保存をしていなかった。
- 委託した業者が不法投棄や過剰保管しているとのうわさを聞いたが、処理委託を続けた。
- 返ってきたマニフェストの内容を確認しなかった。
- マニフェストが期限内に返ってこなかったが気が付かなかった。
詳細は、「産業廃棄物を排出する事業者の方に」(環境省、財団法人 産業廃棄物処理事業振興財団 編集)をご参照ください。
排出事業者の義務を確実に果たすためには、委託した廃棄物に関するさまざまな情報を、できる限りリアルタイムかつ正確に把握しなければなりません。しかし、実態として、マニフェストの情報だけで、委託した廃棄物が処理工場でどのような状況にあるのかまで把握することは至難の業です。
そこで、DONUTS®では、一つ一つの廃棄物について、お客様の工場から運び出されてから、中間処理を経て、最終処分されるまでの完全なトレーサビリティを実現しました。
このシステムの最大の特徴は、お客様との契約内容、廃棄物の性状(WSDS)、マニフェストといった書面情報だけでなく、処理工場における廃棄物の分析結果、保管位置、くわしい処理方法などのリアルタイム情報を一元管理できることです。
DONUTS®に集められたさまざまな情報は、廃棄物の処理期限管理、マニフェストの返却期限管理、廃棄物の運搬・処理時における環境汚染事故防止など、お客様が排出事業者としての責任・義務を果たすために活用されます。DOWAは、今後も、このDONUTS®を最大限に活用して、営業から収集運搬、中間処理、最終処分まで、安全・遵法・適正にトータルコーディネートし、お客様のコンプライアンスのお手伝いをして参ります。
参考ホームページ:DOWAエコシステム:廃棄物の処理管理システム「DONUTS」
- 自らの責任において廃棄物を適正に処理する義務
この記事は
DOWAエコシステム リサイクル事業部
亀倉 が担当しました