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インドネシア労働・安全事情 ~インドネシアPPLiより~

インドネシアにおける環境事業の拠点、PT. PPLi(PTは株式会社の意)は2009年2月にDOWAエコシステムの傘下に入りました。
産業廃棄物の最終処理(埋立)を中心に、液処理、リサイクル、土壌浄化、サイトサービス(現地処理)など、幅広く、総合的に環境事業を展開しているインドネシアで唯一の会社です。ちなみにPPLi株式の5%はインドネシア政府が保有しています。
さて、そのPPLiにおいて、今年2月7日、連続無災害200万人・時間(約2年間。就業人数×時間)を達成しました!

※ 200万人・時間とは、PPLiは従業員が約400人いまして、各人の就業時間を全て足したものです。

PPLiは昨年5月に労働大臣から安全表彰を受けるなど、安全・安心、コンプライアンスが他社との差別化要素となり、国内No.1の地位を確固たるものとしています。


ムハイミン労働移住大臣から
表彰状を受け取るPPLi川口社長

作業前のミーティング風景

PPLiではヘルメット、安全靴、マスクなどの保安具着用を義務付けており、その運用は徹底されています。一方、工場の外、道端では上半身裸、素手素足でツルハシを振るっているような光景も見られます。なぜこの違いが出てくるのでしょうか。

廃棄物処理を行う現場では、事前の情報や表示と実物の性状が違う、というケースがあり、作業員の危機意識・安全意識は必然的に高くなります。
しかし、それ以上に、PPLiがお取引しているお客様のレベルが高いことが、安全への意識の違いを生み出していると考えています。PPLiの顧客は、石油ガス業界や日系企業など、安全・コンプライアンスの意識が非常に高いところがほとんどです。
特に石油ガス会社は、ISO14001や労働安全衛生の規格であるOHSAS18001の保有が要件であることも多く、さらに日頃の安全トレーニングの記録提出、コンテナやボックスなどの設備の規格指定など、非常に高い要求水準に応えています。

つまり、お客様からの要求水準が高い → それに応えられるようにレベルを上げる → そのレベルを維持できるシステムをつくる → コンプライアンス・安全を重視するお客様との取引が増える、という好循環、Win-Winの関係が構築されているわけです。

また、社員のモチベーションや安全意識を高める取組みも継続的に実施しています。
安全標語の募集もその一つ。2百万人・時間を達成した同日、安全標語の表彰式も行いました。198件の応募作の中から金賞に選ばれたのが、Intanさんの「Safety Starts with S and Begins With “You”」(Safetyという言葉はSから始まっているが、本当の安全は“あなた”(You=U)から始まる)。
その他、「Safety is not Expensive, it is Priceless」(安全に値段はつけられない)、「The Safe way is the Only way」(安全は何よりも勝る)などがありました。どこかで聞いたことのあるようなフレーズもあります。安全への思いは万国共通ですね。

今回の2百万時間・人達成で特筆すべき点は、「運搬部門」も対象に含まれていることです。
というのも、インドネシアでは渋滞がひどく、また道路の状態も非常に悪いのです。
笑い話のようですが、2011年末にはジャカルタを走る二輪車・乗用車の占有面積が、道路の総面積を超え、交通が完全にマヒする「グリッド・ロック状態」を迎えると言われています。


ジャカルタ中心部の渋滞風景

廃棄物処理業においては、お客様のところから、「安全に・適正に」処理施設まで運ぶことが非常に重要。PPLiでは自社で各種トラック・コンテナ類を取り揃えていることがウリですが、このような交通状況の中、スケジュールどおりに運行するのは至難の業。
全車にGPSを設置し、運行計画を随時更新、お客様へフィードバックしています。また、スピードや燃費も厳しくチェックし(高速でも70km/hを超えた瞬間にアラームが!)、優秀ドライバーは表彰するなどの動機付けも行っています。

では、皆様も「ご安全に!」

追伸:インドネシアでは現在、空前の自転車ブーム。平日は渋滞のため走るのは困難ですが、毎週日曜日の朝6時~10時、目抜き通りのThamrin~Sudirman通りが自転車・歩行者専用になるため、多くの愛好家が自転車で集まってきます。今度は「自転車渋滞」が起きていますが・・・。


PPLiも参加したGo Green(自転車奨励)イベントでの風景


立川 この記事は
DOWA Eco System Indonesia
立川 が担当しました

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