“インドネシアのPCB処理”
インドネシア事情については以前お伝えしましたが、今回は有害廃棄物(PCBとアスベスト)に関してお伝えします。
インドネシアは、ストックホルム条約(残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約:Stockholm Convention on Persistent Organic Pollutants (POPs) )を2009年9月28日に批准しています。
参考)ストックホルム条約事務局ホームページ
ストックホルム条約では、第5条で、この条約が自国において効力を生じた日の2年以内に行動計画を作成し、その後第7条に定める実施計画の一部として実施することとされています。
ストックホルム条約事務局HPには、各国の実施計画(National Implementation Plan;以下NIP)が掲載されており、インドネシアに関しては2008年7月付けのNIPが掲載されています。
参考)ストックホルム条約事務局ホームページ
それによると、インドネシアでは、
- GR (Government Regulation) NO.74/2001にて、10種類のPOPsの使用が禁じられている。
- 事前調査では約6%の電子機器にPCBが含まれており、そのうち約17%は、高濃度のPCBが含まれている。
- 約23,108トンの変圧器の油にPCBが含まれていると推測される。
と記載されています。
インドネシアでは、PPLi社(P.T.Prasadha Pamunah Limbah Industri)がインドネシア国内で唯一、有害廃棄物の最終処理の許可を有しており、廃油・廃液などのリサイクルも行う総合廃棄物処理・リサイクルの総合拠点となっています。処理だけでなく、作業跡地の浄化や、タンク清掃、廃棄物の運搬など、お客様の元に出向いて行うサイトサービスや土壌汚染の調査や対策も実施しています。
インドネシアではPCBは、有害廃棄物管理について定めた1989年政府令No.18で、有害・有毒廃棄物に分類されています。PCB廃棄物の定義(濃度)については、PCBの含有率に関わらず、B3(有害)廃棄物に分類されています。
PCBに関して、PPLiはインドネシアで唯一PCB処理の許可を保有している会社です。
PCB含有廃棄物の収集運搬の許可を有し、アメリカで適用されている基準(US-EPA 40CFR Chapter-761)に準じた処理方法でPCB処理の許可を得ています。
この他、PPLiではアスベスト処理に関する許可も保有しています。
日本では使用が禁じられている飛散性アスベストですが、インドネシアでは未だにいたる場所で放置されています。PPLiでは、これらのアスベストの除去作業、除去後のアスベストの処分を行っています。詳細については、お問い合わせください。
アスベストについては、PPLiでは「3つの許認可・ライセンスが必要」と考えています。
それは、
- US-EPAのアスベスト除去トレーニングを受講、認可された従業員が除去作業を行う
- 有害廃棄物運搬の許可を持った運送業者のみがアスベストを運送できる
- アスベスト処理の許認可を持った処理業者だけが処理できる
これらを全て有しているのはインドネシアではPPLiだけです。ただし、1. についてはインドネシアの法令では規定がないので、アスベストの除去はトレーニングを受けてない作業員が実施しても法令違反にはなりませんが、企業の社会的責任の観点から、PPLiでは、1. も実施の要件としています。