放射性汚染対処特措法について
放射性物質汚染対処特措法(=「平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法」)が、平成23年8月30日に公布・施行されました。
(※但し、廃棄物の処理や除染等の措置、罰則規定などは平成24年1月1日から施行)
この法律は、放射性物質による環境の汚染への対処に関し、国、地方公共団体、原子力事業者、国民の責務を明らかにし、その講ずべき措置について定めることで、環境汚染が人の健康または生活環境に及ぼす影響を速やかに低減することを目的としています。
- 法律 http://www.env.go.jp/jishin/rmp/attach/law_h23-110a.pdf
- 概要 http://www.env.go.jp/jishin/rmp/attach/law_h23-110b.pdf
- 骨子 http://www.env.go.jp/jishin/rmp/attach/law_h23-110c.pdf
- 政令 http://www.env.go.jp/jishin/rmp/attach/go23_394.pdf
- 省令 http://www.env.go.jp/jishin/rmp/attach/mo_h23-33a.pdf
■責務
国 | 環境の汚染への対処に関し必要な措置を講ずる |
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地方公共団体 | 国の施策への協力を通じて、適切な役割を果たす |
関係原子力事業者 | 誠意を持って必要な措置を講ずるとともに、国または地方公共団体が実施する施策に協力する ※関係原子力事業者 = 事故由来放射性物質を放出した原子力事業者 |
国民 | 国または地方公共団体が実施する施策に協力するよう努める |
■基本方針
環境大臣が、事故由来放射性物質による環境の汚染への対処に関する基本方針を策定し、国・地方公共団体が汚染状況の監視及び測定を実施し、その結果を随時公表。
- 基本方針(平成23年11月11日 環境省)
http://www.env.go.jp/jishin/rmp/attach/law_h23-110_basicpolicy.pdf
■監視・測定の実施
国 | 環境の汚染の状況を把握するため、統一的な監視・測定の体制を速やかに整備し、自ら実施 →結果を随時公表 |
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地方公共団体 | 国と役割分担・協力して、環境の汚染の状況について監視・測定を実施 →結果を随時公表 |
■廃棄物処理
■汚染土壌の除染
■禁止事項と罰則
禁止事項
- 汚染廃棄物等(特定廃棄物、除去土壌)の不法投棄の禁止
- 指定する方法以外での特定廃棄物の焼却の禁止
- 業として行う汚染廃棄物等の処理(収集、運搬、保管、処分など)の禁止
- 汚染廃棄物等の処理に関し、報告の徴収、立入検査、措置命令の規制の措置を置く
罰則
1~4に違反すると5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金または併科。両罰規定(1~3の違反の場合は3億円以下の罰金)もある。1~2の違反は未遂罪も問われる。また、1~4以外の違反にも罰則がある。
■費用
- 国は、汚染対処に必要な費用についての財政上の措置等を実施
- 本法の措置は関係原子力事業者の負担の下に実施
■放射性物質汚染対処特措法に基づくガイドライン
廃棄物関係ガイドライン(事故由来放射性物質により汚染された廃棄物の処理等に関するガイドライン)、除染関係ガイドラインが、環境省ホームページ「原子力発電所事故による放射性物質対策」に掲載されています。
この記事は
メルテック株式会社
大原 が担当しました