「新型コロナウイルス感染症に対処するための廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の特例を定める省令」が公布されました。
2020年5月15日に、「新型コロナウイルス感染症に対処するための廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の特例を定める省令」が公布されました。今回は、排出事業者の皆様に関係のある事柄についてご説明します。
1. 年次報告期限の延長
6月30日までに行う事とされている以下の報告について、2020年度の提出期限が10月31日までに延長されました。
- 産業廃棄物管理票(マニフェスト)交付状況報告書(法第12条の3 第7項)
産業廃棄物(特別管理産業廃棄物を含む)の排出事業者は事業場ごとに、前年度のマニフェスト交付状況報告書を都道府県知事に提出しなければなりません。(電子マニフェストを利用している場合は、排出事業者が報告する必要はありません) - 多量排出事業者の産業廃棄物の処理に係る計画(法第12条第9項、第12条の2第10項)
前年度に、産業廃棄物を1,000トン(特別管理産業廃棄物は50トン)以上を排出する事業場を設置している事業者(以下、多量排出事業者)は、都道府県知事に産業廃棄物処理計画書を提出しなければなりません。 - 産業廃棄物処理計画実施状況報告書(法第12条第10項、法第12条の2第11項)
多量排出事業者は、都道府県知事に産業廃棄物・特別管理産業廃棄物の処理計画の実施状況報告書を提出しなければなりません。
<改正による延長>
2020年6月30日 → 2020年10月31日
※ただし、報告の内容(実績集計期間等)の変更を伴うものではありません。
2. マニフェストが返送されなかった場合に排出事業者に義務が生じるまでの期間の延長
排出事業者は、交付したマニフェストに関して、
- マニフェストの交付の日から90日(特別管理産業廃棄物は60日)以内にマニフェスト(B2票・D票)が送付されてこない場合
- マニフェストの交付の日から180日(特別管理産業廃棄物も180日)以内に最終処分に係るマニフェスト(E票)が返送されてこない場合
に、生活環境の保全上の支障の除去などのために必要な措置を講ずる必要があります。(いずれも電子マニフェストの場合は、情報処理センターが産業廃棄物の委託に関する情報を登録した日から起算します)
以下の場合、排出事業者に義務が生じるまでの期限が延長されました。
- マニフェストの写しの送付期限が緊急事態宣言期間中に到来した場合
- 緊急事態宣言中に管理票を交付
<改正による延長>
B2票・D票:90日 → 120日
E票:180日 → 240日
※特別管理産業廃棄物の中間処分については、特例はありません(B2票・D票とも60日)。
※緊急事態宣言が発出されている区域が全国の一部であっても、全国において適用されます。
3. マニフェスト返送に関する特例
産業廃棄物の運搬業者は運搬終了時に、処分業者は処分終了時に、マニフェストの写しを排出事業者に送付しなければいけません。
以下の場合、送付の期限が延長されました。
- マニフェストの写しの送付期限が緊急事態宣言期間中に到来した場合
- 緊急事態宣言期間内に処理を終了した場合
- 緊急事態宣言期間内にマニフェストの写しの送付を受けた場合
<改正による延長>
送付・返送期限:10日 → 30日
(電子マニフェストの場合 3日 → 30日)
※緊急事態宣言が発出されている区域が全国の一部であっても、全国において適用されます。
ただし、この期限の延長は、新型コロナウィルス感染症への感染が発生した事業場が操業を停止したり、感染拡大防止として事務職員の作業量を抑えている場合が想定されています。マニフェストの送付を支障なく行える場合には、この特例に関わらず速やかな送付が求められています。
また、この特例措置を利用してマニフェストの返却が遅れる場合には、排出事業者に伝えるなど、情報の共有が必要です。
詳しくは、環境省ホームページをご確認ください。
新型コロナウイルス感染症に対処するための廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の特例を定める省令について[2020年5月15日]
この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室
上田 が担当しました